研究課題/領域番号 |
25285025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
岡本 英生 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (30508669)
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研究分担者 |
阿部 恒之 東北大学, 文学研究科, 教授 (60419223)
山本 雅昭 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30380124)
松原 英世 愛媛大学, 法文学部, 教授 (40372726)
森 丈弓 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (00512154)
平山 真理 白鴎大学, 法学部, 准教授 (20406234)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 災害 / 大震災 / 犯罪 / 防犯 |
研究概要 |
1 東日本大震災後の被災地における犯罪被害・犯罪不安とその対応についてのニーズを明らかにするため,平成26年度に被災地住民に対しアンケート調査とインタビュー調査を実施する予定であるが,平成25年度の作業としては,すでに実施されている予備調査の結果を検討することで,アンケート調査及びインタビュー調査の準備を進めた。予備調査の結果の検討が予定どおり進まなかったため,質問項目等を平成25年度中に最終決定することができなかったが,平成26年度初めには決定することで,平成26年度の作業は予定どおり進行予定である。 2 災害後の犯罪対策の現状と今後の課題について明らかにするため,国内の調査と国外の調査を行った。 (1)国内の調査では,岩手県内の地方自治体及び警察を訪問し,東日本大震災発生時における対応並びにその後における犯罪発生状況及びこれへの対応について聞き取り調査を行った。岩手県太平洋岸においては,発災に伴い他地域との陸上交通路が遮断されたこともあり,とくに発災直後に他地域からの流入者が少なく,この点において,震災に伴う犯罪発生状況及びこれへの対応は,本震災による被害のとくに大きかった東北3県のうち,宮城県及び福島県におけるのと様相を著しく異にすることとなったとの知見を得た。 (2)海外の調査では,2005年にアメリカ合衆国ルイジアナ州を中心として甚大な被害を出した「ハリケーンカトリーナ」後の犯罪現象ついてのものに焦点を当てた。ハリケーンカトリーナについては,災害そのものやその後の犯罪現象だけでなく,法執行機関や社会が被災地域の人種的マイノリティ(とくにアフリカ系アメリカ人)を「(潜在的)犯罪者」としてラベリングし,過剰で非合理的な犯罪対策をとったことも分析すべき特徴の一つであったことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
住民調査の準備進行がやや遅れているものの,全体としてみればおおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に引き続いて調査内容・方法を検討し,早急に質問項目等を決定したうえで,東日本大震災の主な被災地を調査対象地域として,Web調査によるアンケート調査を行い,その結果を分析する。Web調査の実施・回収については調査会社に委託する。そして,アンケート調査の協力者の中から同意が得られた者を対象にインタビュー調査を実施し,その結果を分析する。 さらに,国の機関と地方自治体の調査を引き続き行うとともに,海外の調査の補足も実施し,それら結果を分析する。 最後に,以上の調査結果を総合的に検討することで,災害後の効果的な犯罪対策のあり方について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
住民調査の準備進行がやや遅れたためと,現地調査の一部を翌年度まわしにしたためである。 平成26年度中に,住民調査の最終準備のための人件費・消耗品等で使用するとともに,平成25年度に実施できなかった地域の現地調査を実施する。
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