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2014 年度 実績報告書

ヨーロッパ保守政治の構造変容:保守主義・キリスト教民主主義・新右翼

研究課題

研究課題/領域番号 25285038
研究機関千葉大学

研究代表者

水島 治郎  千葉大学, 法政経学部, 教授 (30309413)

研究分担者 土倉 莞爾  関西大学, 付置研究所, 研究員 (00067703)
田口 晃  北海学園大学, 付置研究所, 研究員 (30113583)
野田 昌吾  大阪市立大学, 法学研究科, 教授 (50275236)
古賀 光生  二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (50645752)
今井 貴子(小関貴子)  成蹊大学, 法学部, 准教授 (60552859)
作内 由子  千葉大学, 法政経学部, 助教 (60631413)
伊藤 武  専修大学, 法学部, 教授 (70302784)
中山 洋平  東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90242065)
津田 由美子  関西大学, 法学部, 教授 (30247184)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード政治学 / 新右翼 / ポピュリズム / 保守主義 / 保守政治
研究実績の概要

研究2年目にあたる本年度は、前年度の研究の枠組み設定を経て、本格的に共同研究プロジェクトが始動した年だった。研究会では、近年変容著しいヨーロッパ各国政治について、「保守主義政党」「キリスト教民主主義政党」に加え、右派の自由主義政党、右翼ポピュリズム政党、民族主義政党など、さまざまな方向性を持つ政党群が保守政治のヘゲモニーをめぐって競合している現状を、歴史にさかのぼりつつ、比較検討した。特に2014年のEU議会選挙をはじめ、各国でポピュリズム政党が躍進している状況にかんがみ、ポピュリズム政党の台頭とそれをめぐる既成保守政党の対応が焦点となった。そのなかで、近年のポピュリズム政党が、1990年代に「福祉排外主義」への転換を遂げて支持層の開拓をへたのちに、近年は「リベラル排外主義」とでも呼べる更なる転回をとげ、特に反イスラムを旗印に、「リベラルな価値観にもとづいて移民を批判する」という傾向が西欧各国においてみられることが明らかとなった。現状が流動的である中で、メンバーらによるヨーロッパ各国への出張による資料収集も行った。また、日本との比較の必要性もあり、日本政治研究者をお招きして講演を依頼し、ポピュリズムによる挑戦にさらされている点でも共通する、日本の自民党とヨーロッパの既成保守の比較なども行った。以上の研究成果については、近いうちに論文集として刊行し、広く社会に還元する方向であり、すでに論文集の原稿も集まりつつある。次年度中の刊行を目指してさらなる研究会の開催と打ち合わせを進める予定であり、ヨーロッパ保守をめぐる日本で初の本格的な学術論文集を世に問うことにより、学問的・社会的な問題提起を行いたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外渡航による資料収集や関連論文の執筆をを活発に開催して研究が進展しているのみならず、翌年度の論文集刊行を目指して章立てと割り振りを行い、刊行の計画が立つなど、研究成果のとりまとめと公開についても大きな前進が見られ、当初の計画は順調に推移しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後の研究推進における最大の目標は、日本では先行例のない、ヨーロッパ保守比較政治に関する研究論文集の刊行である。しかもそのさい、日本の保守政治との比較も行う章も含むことで、日本の読者の関心に応えるものとしたい。

次年度使用額が生じた理由

当年度末は、論文集完成のために研究メンバーが各自論文を執筆していたため、予定より研究会が1回少なくなり、若干の次年度使用額が生じる結果となった。

次年度使用額の使用計画

次年度は、論文集の刊行のために当科研組織の全力を傾注するため、出版打ち合わせを兼ねた研究会をしばしば開催し、執筆論文のつきあわせと相互批評、全体としてのまとめを行うこととする。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 誰が投票に行かないか : 選挙から見た自由民主主義の現在2015

    • 著者名/発表者名
      野田昌吾
    • 雑誌名

      政策科学

      巻: 22 ページ: 95-114

  • [雑誌論文] 「理想の国」のポピュリズム:スイス国民党と国民投票2015

    • 著者名/発表者名
      水島治郎
    • 雑誌名

      千葉大学法学論集

      巻: 29 ページ: 1-21

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 戦略、組織、動員(五)-右翼ポピュリスト政党の政策転換と党組織2014

    • 著者名/発表者名
      古賀光生
    • 雑誌名

      国家学会雑誌

      巻: 127 ページ: 78-130

  • [雑誌論文] 新自由主義から福祉排外主義へ―西欧右翼ポピュリスト政党における政策転換2014

    • 著者名/発表者名
      古賀光生
    • 雑誌名

      選挙研究:日本選挙学会年報

      巻: 30 ページ: 143-158

  • [雑誌論文] 二〇一三年ドイツ連邦議会選挙2014

    • 著者名/発表者名
      野田昌吾
    • 雑誌名

      法学雑誌

      巻: 60 ページ: 978-1042

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 一九三〇年代オランダ・カトリック政党の組織変容2014

    • 著者名/発表者名
      作内由子
    • 雑誌名

      千葉大学法学論集

      巻: 29 ページ: 241-276

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] アベ・ルミールとフランス・キリスト教民主主義2014

    • 著者名/発表者名
      土倉莞爾
    • 雑誌名

      関西大学法学論集

      巻: 64 ページ: 325-348

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The Politics of Constrained Discretion in the Age of Austerity: Analysing the Capacities, Preferences and Responsiveness of Political Party since the 1990s2015

    • 著者名/発表者名
      IMAI Takako
    • 学会等名
      Robert Schuman Centre for Advanced Studies (RSCAS) Seminar Series
    • 発表場所
      欧州大学院(イタリア)
    • 年月日
      2015-03-25
  • [学会発表] イタリアの移民政策と家族主義レジームの『再家族化』2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤武
    • 学会等名
      日本政治学会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2014-10-12
  • [学会発表] 戦間期オランダの議院内閣制――議会外内閣の機能と限界2014

    • 著者名/発表者名
      作内由子
    • 学会等名
      日本比較政治学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2014-06-29
  • [備考] 基盤研究(B)「ヨーロッパ保守政治の構造変容」

    • URL

      http://org.shd.chiba-u.ac.jp/~mizushima/kaken1.html

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公開日: 2016-06-01  

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