関東、阪神・淡路、東日本の三大震災の復旧・復興過程に関する政治学的比較研究

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25285049
• 研究機関: 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
• 研究代表者: 五百籏頭 真 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, その他部局等, その他 (10033747)
• 研究分担者: 御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00092338) ; 牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891) ; 砂原 庸介 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40549680) ; 辻 由希 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40610481) ; 筒井 清忠 帝京大学, 文学部, 教授 (50121398) ; 善教 将大 関西学院大学, 法学部, 助教 (50625085) ; 手塚 洋輔 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60376671) ; 村井 良太 駒澤大学, 法学部, 教授 (70365534) ; 小宮 京 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80451764) ; 渡邉 公太 帝京大学, 文学部, 助教 (90713404) ; 森 道哉 立命館大学, その他の研究科, 准教授 (40380141) ; 林 昌宏 常葉大学, 法学部, 講師 (00632902) ; 奥薗 淳二 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), その他部局等, 講師 (30725289) ; 金 恩貞 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, その他部局等, 研究員 (50738317)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 災害の復興過程 / 災害時政府間協力 / 日本政治史 / 災害外交 / 復興への女性参加 / 災後の文明

研究実績の概要

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北・関東地方を中心に、筆舌に尽くし難い甚大な被害をもたらした。それだけではなく、人々に次なる大災害の発生に対する備えの重要性を改めて認識させる重要な契機となった。しかしながら、いずれ発生するに違いない次なる大災害に対して、どのような「備え」をすればよいのかという点、とりわけ復旧・復興を担当することになる政治や行政のあり方についての明確な答えは存在していないのが実情である。
本研究プロジェクトは、こうした状況を踏まえて関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災の3つの震災を、①災害における政治過程と政治リーダーシップ、②復旧・復興過程における政府の対応の実態、③震災をめぐる社会的認識及び災害の教訓について、政治学的な分析視角から比較検討する。これによって、次なる大災害の発生に対する、政治、政府、行政などの役割や行うべき対応に関する新しい知見を提供する。
平成26年度には、研究代表者（五百籏頭真）の総括のもとで、６回の研究会と２回のシンポジウムを開催した。まず、６回にわたる研究会においては、研究委員各自の個別研究報告及び研究分担者間のディスカッションを行った。そして、3つの震災の復興・復旧過程における諸問題と問題の背景、これに対する政治レベル、行政レベル、民間べレルの対応の成果と限界を検討した上で、研究の新しい知見を導出した。また、２回のシンポジウム開催を通じて、災害研究に関する学問的成果を公表するとともに、次なる災害に対する備えの重要性と必要性に関する認識を拡げた。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度には、研究代表者（五百籏頭真）の総括のもとで、研究分担者各自の個別研究が充実に進展し、なお、当初の計画通りに開催された６回の研究会と２回のシンポジウムを通じて、研究成果も着実に公表してきた。

今後の研究の推進方策

本年（平成２７年）度は、研究分担者各自の研究を完了するとともに、本研究会の全体の問題意識及び総論を大枠として、研究成果を整理・総括する。2015年11月には学会報告を行い、政治学的観点からした災害研究の知見を披露する。2016年春を目途に、こうした研究成果を一般向けの書籍としてまとめ発刊する。

次年度使用額が生じた理由

現地調査が予想よりうまく行われ、出張回数が元の計画より下回ったため、次年度使用が生じた。

次年度使用額の使用計画

研究のさらなる発展のため、研究に必要な資料を引き続き収集、また現地取材の出張などに充てる。

備考

大震災復興過程の比較研究～関東、阪神・淡路、東日本の三大震災を中心に～（中間報告）http://www.dri.ne.jp/updata/daisinsaifukoukatei_5079.pdf#zoom=100

研究成果

• [雑誌論文] 海上保安大学校におけるIPE実践 (2015)
  • 著者名/発表者名: 奥薗淳二
  • 雑誌名: 京都大学生涯教育フィールド研究 巻: 14 ページ: 75-82
• [雑誌論文] 中間自治体間の公共投資をめぐる競合とその帰結－大阪湾ベイエリア開発を事例に (2015)
  • 著者名/発表者名: 林昌宏
  • 雑誌名: 常葉法学 巻: 2 ページ: 69-94
• [学会発表] 大震災で被災した港湾施設の復旧の実態とその経験活用のあり方－阪神・淡路大震災と東日本大震災を中心に－ (2014)
  • 著者名/発表者名: 林昌宏
  • 学会等名: 平成26年度兵庫自治学会研究発表大会
  • 発表場所: 兵庫県立大学神戸商科キャンパス
  • 年月日: 2014-10-04
• [学会発表] 大震災の経験と備え―関東大震災を中心に三大震災から考える (2014)
  • 著者名/発表者名: 村井良太
  • 学会等名: 三大震災復興過程比較研究シンポジウム2014
  • 発表場所: 明治大学
  • 年月日: 2014-09-08
• [学会発表] 欧州大戦と日本の戦中外交：石井菊次郎による対外関係の再構成、1914-1919年 (2014)
  • 著者名/発表者名: 渡邉 公太
  • 学会等名: 政策文化総合研究所公開研究会
  • 発表場所: 中京大学
  • 年月日: 2014-07-04
• [学会発表] 港湾整備事業をめぐる中央－地方政府間関係－地方分権的な制度の確立とその影響－ (2014)
  • 著者名/発表者名: 林昌宏
  • 学会等名: 日本行政学会2014年度研究会
  • 発表場所: 東海大学高輪キャンパス
  • 年月日: 2014-05-24
• [学会発表] 警察制度と地方自治制度の相克 (2014)
  • 著者名/発表者名: 奥薗淳二
  • 学会等名: 日本行政学会総会
  • 発表場所: 東海大学高輪キャンパス
  • 年月日: 2014-05-24
• [図書] 建築と権力のダイナミズム (2015)
  • 著者名/発表者名: 手塚洋輔
  • 総ページ数: 336
  • 出版者: 岩波書店
• [図書] 建築と権力のダイナミズム (2015)
  • 著者名/発表者名: 砂原庸介
  • 総ページ数: 336
  • 出版者: 岩波書店
• [図書] 建築と権力のダイナミズム (2015)
  • 著者名/発表者名: 牧原出
  • 総ページ数: 36
  • 出版者: 岩波書店
• [図書] 二・二六事件と青年将校 (2014)
  • 著者名/発表者名: 筒井清忠
  • 総ページ数: 258
  • 出版者: 吉川弘文館
• [図書] 三大震災復興過程比較研究シンポジウム2014報告書 災害復興を考える―関東大震災と首都直下地震― (2014)
  • 著者名/発表者名: 村井良太
  • 総ページ数: 102
  • 出版者: 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構