研究課題
基盤研究(B)
本研究は、1960年代後半から70年代前半にかけての時期に、特定地域における米国の安全保障政策が、他の地域における米国と主要同盟国との関係に、経済現象などを媒介していかなる影響を及ぼしていたのかを、複数の事例を検証することによって浮き彫りにすることを目的に進めてきた。その結果、次のような事実を解明した。米国がベトナム戦争を遂行し、米軍を世界各地に前方展開させたことにより、巨大な国際収支赤字を抱え、これが米国経済の停滞などと相まって、米国内で「過剰な対外関与」を批判する声を喚起した結果、米国の対欧州政策、対日政策、対ペルシャ湾政策などが修正を迫られ、その一端がデタントを担うことになった。
国際政治史