欧州金融危機の原因として、生産性格差に着目した実証研究を行った。生産性に対する自国の研究開発と国際的な研究開発のスピルオーバー効果を計測した。研究開発投資集約的な国々のR&D投資が他国のR&D投資を喚起して世界全体の生産に与える効果(marginal social return)が、自国のみの生産に与える効果(marginal private return)よりも大きいことがわかった。両者の乖離がEU新興国の経済成長を抑制している可能性が示唆された。 また、経済成長と政府債務の間の関係についてもpanel VARの手法によって実証分析したが、経済成長から政府債務への因果性が観察された。
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