研究課題/領域番号 |
25285071
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
肥田野 登 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (90111658)
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研究分担者 |
加藤 尊秋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20293079)
赤間 啓之 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 准教授 (60242301)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヘドニック / 動学モデル / 回帰不連続分析 |
研究実績の概要 |
1.資産保有を考慮したヘドニック理論モデルの構築 昨年度は一地域一主体の動学一般均衡モデルを構築し、理論的にその特性を明らかにした。本年度はそれを拡張し異質な2主体が1地域に存在するモデルを作成することを試みた。準線形の効用関数を用いて、地域内の人の移動は自由であるが自宅地保有を前提とし、それ以外の土地保有を認めない定式化を行った。その結果、1地域2主体の基本的定式化と効用関数を単純化した場合の解を得ることができた。 2.資産保有を考慮したセミパラメトリックヘドニック法の開発 セミパラメトリックヘドニックモデルの開発を試みたが、近年計量経済学で主要な課題となっている、因果関係について識別が困難であることから、研究方針を変え、因果連鎖がわかる、回帰不連続分析の導入を試みた。その結果、Imbens、Zajonicの定式化を用いて、現実に解を求めることに成功した。 3.Choice experimentおよびfMRIによる実験による資産保有動機の解明 資産価値保有の効用の源泉は流動性、優越感が想定される。いずれの動機も極めて心理的な現象でありその選択は状況と個人の基本的な価値観に大きく依存するといえる。残念ながらこれまでHidano, Ogiso(2012)で示した結果に疑問が生じ、再度の解析を試みているが思わしくない。fMRI実験法の開発では、視覚言語刺激を提示した際の脳内反応をGE-EPI手法で撮影する。そのデータはGLM(一般線形モデル)によって得られるヴォクセル(脳画像の単位画素)の反応について機械学習の手法を用いて、実験参加者がそれらの選好に関連する刺激に対して、どのような心的態度を取っていたか判別する手法の開発は進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論およびパラメータ推定手法については順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
動学モデルの一般化をはかること、およびパラメータ推定手法についてさらなる発展を目指す
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