研究課題/領域番号 |
25285080
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河端 瑞貴 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60375425)
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研究分担者 |
金本 良嗣 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00134198)
高橋 孝明 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (30262091)
大久保 敏弘 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (80510255)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 都市経済学 / 地理情報システム(GIS) |
研究実績の概要 |
GISと空間データを用いた分析事例およびGISの機能を調査し、GIS活用の基礎的枠組み構築を再検討した。全国の経済学者を対象に実施したGIS活用の現状と課題のアンケート調査の結果をまとめ、査読論文として公表し、地理情報システム学会で発表した。アンケートの回答の中に、学会等でGIS活用法のレクチャーをしてほしいとの要望があった。そのため、日本経済学会秋季大会において「経済分析におけるGISと空間データの活用法」のチュートリアルセッションを開催した。都市経済学、経済地理学、環境経済学等の比較的GISとの親和性の高い分野に限らず、財政など幅広い分野の研究者が参加して活用法を学び、意見交換を行った。 政府統計の総合窓口、国土数値情報、基盤地図情報などの空間データ、および平成26年度に政府統計の総合窓口に新規開設された「地図による小地域分析(iSTAT MAP)」のGIS機能を追加的に調査し、それらの基礎的および応用的な活用法を開発した。開発した活用法を、「都市政策の空間分析」、「経済地理」、「研究会」等の経済・政策分析に関連する大学および大学院授業で教育実践し、フィードバックを得た。 GISと空間データの活用法を現実の政策課題の分析に適用した。保育所へのアクセスと未就学児を持つ女性の就労との関係についての論文は、オープンアクセスの査読論文として公表した。都市集積が製品差別化によってもたらされるモデルを用いて都市規模の最適条件を研究し、ファースト・ベスト経済におけるヘンリー・ジョージ定理を次善のケースに拡張した。Alonso-Mills-Muthの都市モデルにおける立地競争、景観と住宅立地の経済学的基礎、公共交通の経済分析等の理論的な研究を行った。阪神淡路大震災後の製造業工場の存続における産業クラスターの役割等を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GIS活用の基礎的枠組みの再検討、GISと空間データの活用法の開発、現実の政策課題への適用の進捗が、概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を随時、ワークショップや学会のチュートリアルセッション、授業などで発表・実践し、フォードバックを得ながらいっそうの研究成果を図る。開発した経済分析、政策分析のためのGISと空間データの活用法は、図書にまとめて公刊する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に使用することを予定していた空間データとコンピューター関係消耗品の一部を翌年度に使用することになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究の遂行のために必要な空間データとコンピューター関係消耗品に使用する。
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