日本政府は中古住宅流通を活性化するために「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、耐用性能の高い住宅に対する補助、税制、金融上の措置による支援を行っている。しかし、この研究では耐用性能に優れている住宅の供給を促進するだけでは、参加する全てのプレイヤーが得をするいわゆるWin-Winの状況を生み出すことができないことが明らかになった。一方、柔軟な不動産流通市場の整備は、自己実現的である。それは価格弾力性が高い消費者の反応を生み出し、住宅価格、住宅資産額、住宅投資額の拡大に結びつくため、参加するプレイヤーが中古住宅市場活性化のために行動、戦略を変えるインセンティブを増加させる。
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