研究課題/領域番号 |
25285085
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
胥 鵬 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (60247111)
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研究分担者 |
松井 建二 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (20345474)
森田 果 東北大学, 法学研究科, 教授 (40292817)
蟻川 靖浩 早稲田大学, 商学学術院(ファイナンス研究科・センター), 准教授 (90308156)
田中 亘 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (00282533)
宮崎 憲治 法政大学, 経済学部, 教授 (10308009)
武田 浩一 法政大学, 経済学部, 教授 (40328919)
竹口 圭輔 法政大学, 経済学部, 教授 (80386333)
武智 一貴 法政大学, 経済学部, 准教授 (80386341)
高橋 秀朋 法政大学, 比較経済研究所, 准教授 (90583659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 企業統治 / 株主総会 / 株主アクティビズム / 個人投資家 / ストックオプション / 投資家との対話 / 振替価格 |
研究実績の概要 |
胥はブルドックの取締役会が作成した中期事業計画はまったく達成されず、株価はスティールの提案価格を大きく下回っただけでなく、ベンチマークと比較しても劣ることから、経営陣が株式持ち合いにより守られる株式所有構造にメスを入れることが必要であると主張する。森田は株主総会をめぐる総会実務担当者に対するアンケートに基づいてパネルデータを構築した上で,そのデータを活用して株主総会の運営のあり方,および,企業統治に関する実証分析を行った。株主への情報提供の充実・迅速化を図るという観点から、田中は企業と投資家が対話を通じて企業価値の向上を図ることを支援する制度改正の可能性を検討した。武智は本研究では、取引コストの識別の際に市場供給のセレクションと市場ごとの価格付けから生じるバイアスが存在する事を示し、それらをコントロールすることで、取引コストがこれまで考えられていたよりも大きい点を明らかにした。高橋は日経225の銘柄入替前後における空売りの動向を分析し、その結果、空売りが価格の安定性を阻害するという結果を得た。蟻川は日本の上場企業のデータを用いて、外国人投資家の持株比率が高いほど株価の情報効率性が高いこと、また企業の情報開示レベルと株価の情報効率性の間にも一定の相関があることを示している。松井は管理会計の観点から企業統治の経済理論分析を行った。具体的には、事業部制をとる企業で用いられる振替価格操作のもたらす影響を分析した。そして、複数の事業部に同一の財を移転する場合、どのタイミングで振替価格を設定することが最適かを明らかにした。竹口の分析によると、日本企業のストックオプションは希薄化効果よりも経営者インセンティブ効果が期待される。所有構造との関連で、武田は多くの個人投資家が損失回避傾向にあること、半数近い投資家が時間非整合的であることなどが明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「9.研究の概要」に記載した通り、企業統治に関する分析を進め、順調に研究成果を公表できているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、本研究の最終年度にあたるため、今までの企業統治に関する分析の蓄積を生かして、国際比較について包括的に検討し、今後の展望を探るとする。従来通り、定期的に研究会を開催し、コンファレンスを開催することを想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に採択された国際学会論文発表の参加費と海外出張旅費、予定されていた逐年度更新のデータベースと計量ソフトの更新費用は4月以降執行になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
データベースと計量ソフトの更新費用、海外学会参加費はすでに4月中に申請しており、海外学会出張の旅費も順次執行するする予定である。
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