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2016 年度 実績報告書

近世・近代移行期における公共財供給と『地域社会』:比較史の視角から

研究課題

研究課題/領域番号 25285104
研究機関東京大学

研究代表者

谷本 雅之  東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10197535)

研究分担者 木下 光生  奈良大学, 文学部, 准教授 (10520629)
飯田 恭  慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (20282551)
荒武 賢一朗  東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (90581140)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード公共財供給 / プロイセン / 地域社会 / 領主制 / 貧困救済 / 地方公共財 / 豪農
研究実績の概要

本研究では、日本の近世・近代移行期に関する地域史研究の蓄積に学びつつ、日本では領主層の直接かかわらない「公共的」な空間=「地域社会」が、19世紀前半以降、広義の公共財供給の主体として機能していたことを明らかにしてきた。領主財政における民政部分の減退、インフラ事業への民間資金の役割の増大、生活の救済や資源管理における村のイニシャティブの発揮などが、日本の「地域社会」の特質として概念化されるが、今年度は特にそれをベンチマークとすることで、プロイセンにおける領主制の機能の強さとの比較、近世中国(清)における中央集権的な資源管理や河川土木の意義と限界、議会と教区の関係が論点となるイギリスなどとの対比が明確となり、それぞれの経済社会における、公共財供給の特質とその論理が浮かび上がってきた。また、公共財に関する理論的な整理を行い、本研究の主たる対象がクラブ財およびコモンプール財をも含む「地方公共財」であることを明確にし、近年の軍事財政国家論が主たる関心を向けている中央政府の軍事費(純粋公共財)支出との相違を明示した。それは、近世における財政国家の成立を経済発展との関連で強調する見方に対して、地域社会の独自の意義を同じく財政と公共財を論じる中で浮かび上がらせたものであり、研究史に新たな領域を切り開く可能性を孕むものと考えている。
これら一連の成果については、新たにドイツの研究者による寄稿も加えた論文集Masayuki Tanimoto and R. Bin Wong eds. Public Goods Provision in the Early Modern Economy: Role of the Regional Society in Japan, China and Europeとして公刊すべく現在編集作業が進行中である。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 領有すれども所有はせず―近世東ヨーロッパからみた中近世日本領主制の特質―2016

    • 著者名/発表者名
      木下光生
    • 雑誌名

      歴史学フォーラム2015の記録 アジア史研究の現在

      巻: 2016年版 ページ: 36、46

  • [雑誌論文] 近世の大坂湾と伊勢湾―商業的諸関係を中心に―2016

    • 著者名/発表者名
      荒武賢一朗
    • 雑誌名

      『知多半島の歴史と現在』

      巻: 20号 ページ: 73、87

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 質屋は商売か―歴史的にみた「公益」を考える―2016

    • 著者名/発表者名
      荒武賢一朗
    • 雑誌名

      歴史学フォーラム2015の記録 アジア史研究の現在

      巻: 2016年版 ページ: 24、29

  • [学会発表] The Global Countryside: Global Connections and the Transformation of Rural Areas in the first Age of Globalisation, c. 1300-18002016

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Tanimoto
    • 学会等名
      25th World History Association Annual Conference
    • 発表場所
      ゲント大学、ベルギー
    • 年月日
      2016-07-03
    • 国際学会
  • [図書] 「鉱工業生産全般」『岩波講座・日本経済の歴史 第二巻 近世』2017

    • 著者名/発表者名
      谷本雅之
    • 総ページ数
      400ページ前後の予定のうち25ページ
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] 日本経済史-近世から現代まで 序章から第3章まで2016

    • 著者名/発表者名
      谷本雅之
    • 総ページ数
      484ページのうち1-245ページ
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2018-01-16  

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