研究課題/領域番号 |
25285111
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大滝 精一 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20138556)
|
研究分担者 |
高浦 康有 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (00340216)
佐藤 勝典 東北大学, 経済学研究科(研究院), その他 (10632234)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60451506)
福嶋 路 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70292191)
NGUYEN CHI・NGHIA 青森中央学院大学, 経営法学部, 講師 (80588616)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 震災復興 / 当事者主導型ソーシャルイノベーション / 能動的な行動 / メカニズムの分析 / 意識構造 |
研究実績の概要 |
平成26年度においては、本研究は、ケースの比較を通じて、当事者主導型ソーシャルイノベーション創生についてのフレームワークの理論上の一般化を図った。2005年のハリケーン・カトリーナによる被害から復活を遂げ、現在、社会起業家が増加している米国ニューオーリンズの社会起業家とそのエコシステムについての調査を継続した。具体的には2014年3月末にニューオーリンズのNPOであるIdea Villageらが主催する起業家および支援者が集まるイベント、アントレプレナー・ウィークに参加し、そこで起業家および主催者にインタビューをした。 また、ベトナムにおける貧困者の自立活動を分析し、資源が乏しくて不完全な状況において、いかに手元にある資源でやりくりすることで資源の欠乏問題を解決できたのかというプロセスを、ブリコラージュ理論に依拠して分析した。 震災復興下での当事者主導型ソーシャルイノベーションに関して、震災で全てを失ってしまい、何行動もしない人がいる、一方で覚悟を決めて自ら問題の解決に取り組む人もいる。要するに、資源がないこと自体は客観的な要素によって決まっているわけではなく、資源がないことが人が行動する要素であり、認知的資源があることについて事例の比較を通じて考察した。 また、震災復興でのソーシャルイノベーションに関連して、被災当事者による社会的企業の継続性についてのWeb調査を実施して、当事者主導による被災地での起業に関して継続している事業分野についてのデータを得て、東北大学経済学研究科のディスカッションペーパーにまとめた。さらに、コミュニティベースでのソーシャルベンチャーについて制度的な異種同形の限界についての研究を実施してISTRの国際会議で報告し、VOLUNTASに論文を掲載した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者と研究協力者は頻繁に研究会を実施しており、研究成果を共有している。また、研究の進捗状況や今後の研究展開の方向性、研究計画について議論し、話し合いをしている。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通りに研究活動を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
資源が乏しくて不完全な状況において、いかに手元にある資源でやりくりすることで資源の欠乏問題を解決できたのかというプロセスを分析した結果、新たな知見を得られたため、改めて文献レビューを行い、更に理論を分析しないといけないと判断した。
|
次年度使用額の使用計画 |
新たな論点に関する文献レビューを行い、調査データをもとに理論を分析していく。
|