研究課題
今年度はブリュッセルにおけるSeafood Expo Globalという世界最大のシーフードショーのフィールドリサーチを実施した。まず、目の当たりにしたのは、日本パビリオンのプレゼンスのなさである。日本パビリオンは会場の一番端で小さい。これに対してノルウェーのサケ養殖企業マリンハーベストは会場入り口にあり、1社で日本パビリオン10数社分のブースを構えている。その他ノルウェーのサケ養殖企業も同社同様な位置と規模である。日本は消費地として世界を席巻しているが、生産者としては未熟であることが認識できた。また、会場では、ASC認証の入ったブースが多くみられた。日本パビリオンでのインタビュー調査では、次のことが明らかになった。1.日本の「水産物・水産加工品輸出拡大協議会」は、NSC(ノルウェー水産審議会)をモデルにして公金により2015年に発足した。しかし、NSCが企業の売り上げから3%の補助金によって運営しているのに対し、同協議会はあくまでも公金のため限界があるとのこと。2.日本ではワクチン業者がワクチンを作らないため生産者は抗生物質に頼る。WHOで禁止されているが日本の行政が承認している抗生物質を使用。そのため、ASC認証の取得ができない。3.ASC認証は、餌までさかのぼってトレーサビリティを求められるので取得が難しい。4.養殖企業では、生産現場とCSR部門の連携があれば良い。5.EUでは認証がないと販売できない。6.現在日本企業3 社がぶりのASCの申請をしている。7.日本の養殖業は、プロダクトアウト指向で、マーケットをあまり見ていない。今後のビジネスモデル構築の方向性として、市場を見ていくことが必要であろう。たとえば、すでにベルギーで散見される地中海料理のカルパッチョやペルー料理であるセビーチャ(Cebiche)の素材に、ぶりを入れていくことを普及させる必要があるだろう。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本情報経営学会誌
巻: 40 ページ: 印刷中
国際P2M学会誌
巻: 12(2) ページ: 68-82
新潟国際情報大学研究紀要
巻: 3 ページ: 87-97
https://www.nuis.ac.jp/pub/teacher_utida.html
http://www.hollywood.ac.jp/mba/environment/teacher/teramoto.html