研究課題/領域番号 |
25285148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60273570)
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研究分担者 |
真鍋 一史 青山学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90098385)
永吉 希久子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50609782)
柴田 悠 同志社大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50631909)
田靡 裕祐 立命館大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80619065)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 近代化 / 脱近代化 / グローバル化 |
研究概要 |
本年度は、NHK放送文化研究所の「日本人の意識 1973~2008」を使い、日本での変化について主に研究した。性役割意識と生活上の目標、そして仕事における外的報酬志向と内的報酬志向について主に取り扱った。長期的に見ると、性役割意識に関しては平等主義的に、生活上の目標に関しては将来よりは現在、そして公よりは私を、仕事に関する価値観では内的報酬志向になってきており、おおむねイングルハートの議論と整合的な結果が得られている。しかし、性役割意識に関しては、近年ではこのような変化は鈍化しており、停滞傾向が見られる。 また、外国に対するイメージの変化についても研究したが、1990年代は米国の人気が最も高く、2008年でも米国は首位のままではあるが、米国を一番好きな国として選ぶ人の比率は低下し続けている。そのかわりに韓国のようにかつてはほとんど選ばれることのなかった国の人気が上昇しており、米国、スイス、オーストラリア、フランスといった特定の国に人気が集中していた状態から、多様な国々が選ばれる状態へと変化してきている。 以上のような傾向は出生コーホートの影響をコントロールしても統計的に有意であった。 このような分析結果については、10月にワークショップを開き、ドイツ、タイ、ベトナムの研究協力者とともに検討を行った。それ以外にも、4回の研究会を開き、研究の進捗状況や成果を共有し、今後の方向性について話し合った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初予定通り進んでいるが、成果をまとめる本の序論がまだ書けていないため、出版の準備がやや遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は成果を本として出版するため、早いうちに序論を書き上げる。また、国際比較分析に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外からの研究協力者の招聘が1件キャンセルになったことと、遠隔地の分担者の出張がキャンセルになったこと、英文校閲が当初予定ほど必要なかったことなどが主な理由である。 横浜で開かれる国際社会学会にあわせてシンポジウムを別途開き、海外の研究協力者も招いて研究成果の共有と今後の研究の方向性について話し合う。
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