研究課題/領域番号 |
25285149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
友枝 敏雄 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30126130)
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研究分担者 |
山田 真茂留 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20242084)
木村 好美 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90336058)
樋口 耕一 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00452384)
阪口 祐介 桃山学院大学, 社会学部, 講師 (50589190)
藤原 翔 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高校生 / 規範意識 / 社会観 / 保守意識 / ジェンダー観 / リスク認知 / 科学技術と社会 / 震災・原発リスク |
研究概要 |
2001年以来6年ごとに実施してきた高校生調査(質問紙調査)の第3回調査を2013年に実施した。第3回調査は、福岡県(公立高校5校、私立高校2校)、大阪府(公立高校7校、私立高校2校)、東京都(公立高校6校、私立高校4校)で実施し6092名分のデータを収集した。第3回調査の特色は、次の2点にある。第1に、福岡、大阪のみならず東京で実施することによって、より日本社会の縮図となるようなデータの収集につとめたことである。第2に、2011年3月11日に発生した東日本大震災をふまえて、高校生がそもそもリスクというものをどのように考えているのかについて質問するとともに、東日本大震災と原発についての意識を尋ねたことである。高校生の意識の分析をとおして、将来における科学技術と社会のあり方について考えることを目指した。 2013年度は、第3回高校生調査のデータ分析に集中して研究を進めた。行った分析は、(1)高校生の規範意識の内実は何か、(2)高校生の社会観の趨勢(とりわけ「保守意識」に焦点をあてて)、(3)高校生の進路選択と地位達成志向・職業観、(4)高校生の性別役割分業意識・ジェンダー観、これらの4つのテーマは、第1回調査以来の継続テーマなので、2014年度には、3時点の趨勢分析を行うことにした。 2007年第2回調査で行った(5)若者の人間関係の取り結び方については、2013年第3回調査でもデータを収集しており、まず2013年データについて単純な分析を行ったので、2014年度に高度な分析を行い、あわせて2007年データと2013年データによって、2時点間の比較を行う予定である。 2013年度に新たに質問項目として入れた(6)高校生における震災・原発リスクに関する意識、(7)高校生の階層的地位と学習意欲については、ある程度の分析を行ったが、さらに精緻化した分析を2014年度に行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1の理由は、2013年度に実施した第3回高校生調査が、2007年に第2回調査を実施した福岡県・大阪府の16の高校のうち、15の高校で実施できたことである。できなかったのは2007年から2013年の間に、統廃合で高校の性格が変化していた1校のみであった。したがって2013年調査では、新たに1校を加えて、2007年調査と同じ16校になるようにした。 第2の理由は、東京都でも10の高校で実施できたことである。 その結果、6092名分のデータが収集でき、より日本社会の縮図に近い高校生のデータになったことが第3の理由である。 第4の理由は、福岡県については3時点データとなり、大阪府については2時点データとなったので、より優れた分析が可能となったことである。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度に実施した第3回高校生調査のデータ分析を中心にして、研究を推進する。 2014年度には、つぎの2つの課題を遂行する。 I 第1回・第2回・第3回高校生調査データを用いた時点間比較。 (1)高校生の規範意識の内実は何か(2)高校生の社会観の(とりわけ「保守意識」の焦点をあてて)(3)高校生の進路選択と地位達成志向・職業観(4)高校生の性別役割分業意識・ジェンダー観については、3時点間の趨勢分析を行う。(5)若者の人間関係の取り結び方については、2時点間の趨勢分析を行う。3回の調査データの分析から、新たな知見を出すために、分析手法にも工夫を凝らす。具体的には、因子分析、重回帰分析に加えて、マルチレベル分析の可能性を追究するとともに、時系列分析によって新たな知見が得られるかどうかチャレンジする。 II 第3回高校生の調査のデータ分析 2013年度に新たに質問項目として入れた(6)高校生における震災・原発リスクに関する意識、(7)高校生の階層的地位と学習意欲について、精緻化した分析を行う。
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