研究課題/領域番号 |
25285150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
諸岡 了介 島根大学, 教育学部, 准教授 (90466516)
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研究分担者 |
桐原 健真 金城学院大学, 文学部, 准教授 (70396414)
田代 志門 昭和大学, 医学部, 講師 (50548550)
藤本 穣彦 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90555575)
相澤 出 医療法人社団爽秋会岡部医院研究所, その他部局等, 研究員 (40712229)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 在宅ホスピス / 死生観 / 地域性 / 終末期ケア |
研究概要 |
平成25年度につき、本研究プロジェクトでは以下のような実績を得た。 (1) 文献調査:死の文化に関わる文献研究として、国内の思想史的考察と、海外を含めた死生学の現状に関する考察を主に文献を用いて推進した。これらの文献研究は次年度以降の在宅ホスピスにおける質問紙調査実行の前提となるが、とりわけ終末期体験の内容と扱いに関する国際比較の視点について見通しをつけることができた。具体的には、イギリスにおけるP.フェンウィック氏らの研究などを考察の比較対象としうることを見いだした。 (2) 在宅ホスピスを利用している患者・家族に対するインタビュー調査:主に宮城県域を中心として、在宅ホスピスの現状に関わるインタビューを行った。ここでの焦点は、在宅での終末期ケアに独特な現れ方をする、医学的な問題、経済的な問題、社会的な問題、それから死生観に関する問題の絡み合いである。これらの成果の一部を出版物等にて発表したほか、次年度以降の質問紙調査の内容に反映される。 (3) 在宅ホスピスでのケア従事者との対話、およびインタビュー調査:研究会などを通じ、各地で在宅ホスピスに従事する医師・看護師などのスタッフとの対話を進め、本研究の成果を還元するとともに、今後の調査研究に反映すべく地域での死生観に関わる諸問題について認識を深めた。また、宮城県・福島県を中心に集中的なインタビュー調査を行い、終末期体験に関するケア従事者側の経験や認識について調査を行った。この調査は平成26年度も継続する。 また、以上(1)~(3)の成果を踏まえながら、本研究プロジェクト参加者のあいだで、次年度以降に予定している質問紙調査の内容について吟味を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度には、当初の予定通り、これまでの調査研究の成果を踏まえながら、その社会的還元を兼ねたケア従事者との交流と、国内外の文献研究とインタビュー調査を含む調査研究を進めることができた。これらの調査研究は、次年度以降に予定している在宅ホスピス利用者に対する死生観に関する質問紙調査の実施を見据えたものであるが、在宅ホスピスという特殊な研究領域にアプローチする際に求められる多角的な分析視角の確保について、一定の見通しを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、各種の文献調査およびインタビュー調査といったこれまでの分担研究から得られた洞察を集約する形で、在宅ホスピス利用者に対する死生観に関する質問紙調査の内容を確定し、これを実行に移す予定である。そのために、現場のケア従事者の知見や関心も反映させるべく2度から3度の研究会を開催し、質問紙の内容を練った上で倫理委員会の審議を受ける。 各種分担研究それ自体についても、まず、死生観に関わる国内の思想史的考察・海外を含めた国際比較的考察を推進する。また、平成25年度に着手し実施してきた在宅ホスピスにおけるケア従事者に対するインタビュー調査をさらに進め、質問紙調査から期待される量的な調査結果とお互いに補強しあうような形で、質的な分析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究会の開催につき、日程が次年度にずれこんだものがあったため。 研究会の開催・参加の諸経費について使用する(仙台市にて開催予定)。
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