言語を学習するため,子どもは発話中の語や句,文などの言語的側面に注意を向け,単語あるいは文レベルのピッチパタンなどは無視しなければならない場合もある。しかし,単語レベルのピッチバタンは,日本語を含むいくつかの言語で単語の区別に用いられ,文レベルのピッチパタンは,話者の感情を言語内容より正確に伝達する場合がある。本研究では,(1)乳児はいつから,どのような手がかりを用いて,モノの名前を,それ以外の発話音声と区別するようになるのか,(2)単語の区別や話者感情の推測に,単語や文レベルのピッチパタン情報を利用するということに関して,日本の子どもはどのような発達経路を示すのか,の解明を目指した。
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