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2016 年度 実績報告書

自閉症特性における広域表現型(BAP)を考慮した支援のあり方に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25285193
研究機関大阪大学

研究代表者

酒井 佐枝子  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 准教授 (20456924)

研究分担者 榊原 久直  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 講師 (90756462)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2019-03-31
キーワード臨床心理学 / 自閉症スペクトラム / 広域表現型
研究実績の概要

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもを持つ養育者の自閉症広域表現型(Broad Autism Phenotype: BAP) の特性として、他者との打ち解けなさや言葉の独特の使用、融通のきかなさ等があげられる。こうした特性を有する場合、心理教育プログラムの提供のあり方にも工夫が求められることとなる。
本研究ではASD児とその養育者との関係性構築支援を検討することを目的として、アタッチメント理論に基づいて開発された集団で実施する心理教育プログラム「安心感の輪」子育てプログラム(COSP)を就学前後のASD児の養育者に施行し、その効果測定を行うための質問紙および親子遊び場面の行動観察をプログラム前後に実施した。本年度は1クール2名に対し、2時間セッション8回を実施した。今クールは少人数での実施であったことから、健常であってほしかったという養育者自身の思いの変遷が実直に語られることを通した養育者ー子の関係性構築の変容過程が見出され、こうした語りがプログラム前後に実施した自記式アンケートにも反映される結果となった。
また養育者のBAP を考慮したプログラム提示の工夫として、概念の明確化および視覚提示の有効性が認められた。すなわち概念の明確化においては、わかりやすいキーワードで考えることにより、日常生活での親子の具体的やりとりを想起しやすくなること、そして視覚提示においては時間の枠組みの視覚化や資料提供、ワークや発言内容の視覚提示などを通して、得られた情報・知識の定着が可能であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでのプログラム実施を通したデータ収集が順調に進んでおり、今後はこれらの得られたデータの量的・質的解析を進めることができる状態にある。

今後の研究の推進方策

産前産後・育児休暇後、研究再開時はプログラムの効果測定に関する研究ではこれまで得られたデータの解析を中心に行う。

次年度使用額が生じた理由

高額機器購入のため、全額前借していたが、今後引き続き被験者への心理教育プログラム施行を継続していくための支出が予定されるため。

次年度使用額の使用計画

心理教育プログラムの運営・施行および解析のために主として使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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