研究課題/領域番号 |
25285220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
佐藤 学 学習院大学, 文学部, 教授 (70135424)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教育学 / 学校改革 / 授業改革 / 協同学習 / 教職の専門性開発 / 授業研究 / アクション・リサーチ |
研究概要 |
平成25年度は、アジア諸国(中国、韓国、台湾、シンガポール、インドネシア、ベトナム、日本など)の学びの共同体の学校改革の国際ネットワークを構築するために、以下の三つの事業を中心に研究を展開した。第一は、ホームページのウェブサイト”Inter- national Platform for School as Learning Community"を開設し、6か国の研究と実践と情報のデータベースを構築したことである。第二は、アメリカ教育学会(4月)、韓国学びの共同体研究所(8月)、台湾(台中教育大学、嘉義市、台中市、南投県、8月、台北市、新竹市、11月)、世界授業研究学会(スウェーデン 9月)、中国(北京師範大学、9月)において学びの共同体の学校改革の講演と研究セミナーを行ったことである。第三は、3月8日、9日、10日の3日間、学習院大学において第一回「学びの共同体の学校改革国際会議」を開催し、10か国から180名の教育研究者を迎えて研究交流を行ったことである。この国際会議は、平成25年度の本研究事業の最大のイベントであり、これまで研究代表者である佐藤を中心に放射線状に結ばれていた研究ネットワークが、初めて一堂に会し、相互交流のネットワークを構築する意義をもつものであった。第四は、平成25年度を通じて、日本の学びの共同体の学校改革の視察を希望する中国、韓国、台湾、インドネシア、シンガポールなどの諸国の教育研究者と教師の学校視察を支援したことである。この一年間に日本の学びの共同体の学校を訪問したアジア諸国の研究者と教師は、総勢1千名を超えている。第五は、この国際的学校改革運動の若手研究者の養成である。上記の一連の事業には、中国、韓国、台湾の留学生(大学院博士課程院生)および、日本の若手教育研究者が参加し、彼らの研究の推進を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、平成25年度は国際ネットワークの構築として、研究の蓄積と情報のデータベース作成のためのウェブサイトの構築を中心とし、アジア諸国における講演会とシンポジウムへの積極的参加と各国におけるネットワークづくりを課題として掲げており、国際会議については、平成26年度の事業として想定していた。しかし、本研究事業に対するアジア諸国の大学と教育行政機関の反応は当初の期待をはるかに超えており、特に台湾と韓国とインドネシアとベトナムにおいて当初の予想以上の事業が進展したため、平成25年度の年度末に国際会議を開催することとした。その国際会議においては、当初の予測の数倍の参加者による研究交流が実現した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、初年度において期待以上に進展している。今後は、インターネットのウェブサイトを活用した研究の国際交流をさらに活性化するとともに、第二回目の国際会議として、学びの共同体の授業改革の実践交流を企画している。また、中国、韓国の大学、研究所との交流をさらに促進するとともに、全教育長が学びの共同体の学校改革を支援している台湾、国家政策として推進されているインドネシア、新たな動きが展開しているベトナムを重点として、それぞれの国を訪問し、より充実した研究ネットワークの構築を行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
助成金のうち、若干の金額が次年度使用額として残ったが、この翌年度使用額は、当該年度の年度末に行った国際会議の謝金の一部未払い分である。 翌年度未払い分は、平成26年度の助成金と合わせて、平成25年度の第一回国際会議の未払い謝金および平成26年度に計画している第二回の国際会議の準備資金として活用する。
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