本研究の最終年度である平成27年度は、アジア諸国(中国、韓国、台湾、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、日本)における学びの共同体の国際ネットワークをさらに拡充し研究交流をはかることを重点的に追求した。以下の三つの事業が主要な実績である。第一は、第3回学びの共同体国際会議の開催であり、平成27年度は8月に学習院大学において開催した。参加した国々は17か国であり、アジア諸国のみならず、ヨーロッパ、中近東、南米からも参加者があり、実践報告と研究交流が行われた。また、初日の学校訪問と学校ベースのワークショップには、国内の700名以上の教師と研究者も参加し、学びの共同体の授業改革の国際交流を実践的研究に即して実現することができた。第二は、アジア諸国の学びの共同体の学校とそれを支援する大学の訪問と研究交流である。平成27年度においては、中国(北京、重慶、上海)、台湾(台北、新北、花蓮、台東、台南)、韓国(ソウル、慶尚南道)、タイ(バンコク)を訪問し、これらの国々の学びの共同体の普及と研究の推進に貢献した。第三は、最終年度における研究の総括である。平成27年度は、国際交流の要となっているウェッブサイトの更新とデータベースの充実を行い、併せて、3年間の3度にわたる国際会議の全報告と全講演を文字化して報告集を作成した。以上が、平成27年度の主要な実績であるが、これまでの2年間と同様、これらの活動をとおして、国内外の学びの共同体の学校改革を推進する若手研究者の研究支援も行い、そこから博士論文も誕生し、中国と韓国の留学生が大学の研究職に就職したことも副次的な成果である。
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