研究課題/領域番号 |
25285233
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
林嵜 和彦 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10410531)
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研究分担者 |
児島 明 鳥取大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90366956)
山ノ内 裕子 関西大学, 文学部, 准教授 (00388414)
山本 晃輔 大阪大学, 人間科学研究科, 研究員 (30710222)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 外国人学校 / 日系ブラジル人 / 往還移民 / アイデンティティ / トランスナショナル / トランスマイグラント / 多文化共生 / キャリア形成 |
研究概要 |
本研究の目的はブラジル人学校をトランスマイグラントの時代という文脈においてその機能を再評価することである。とくにブラジル人学校でそだった子どもたちの成長・発達にかかわる、その社会化の機能に着目している(日本の公立学校でそだった子どもとの比較をふくむ)。 わたしたちは、この研究プロジェクトのはじまるまえから、別のプロジェクトにおいてブラジル人学校の経営者や教員へのインタビューをかさねてきた。本プロジェクトの初年度では、それを継続して、代表者と各分担者がブラジル人学校へのききとりや学校での観察をかさねておこない、くわえて数名の生徒へのインタビューをおこなった。その成果はより大きなプロジェクトの一部として出版される予定である。ブラジル人学校の子どもは帰国する人びとがおおいため、また、トランスマイグラントとしての特徴をさらにきわ立たせるため、国内での調査にくわえて、本年度は代表者と2名の分担者がブラジルでの予備的な調査をおこなった。 9月には、静岡県の委託事業をうけたNPO団体の事業責任者などをゲストに招待して、ブラジル人学校への日本の支援のありかたにかんする研究会をおこなった。さらに分担研究者を1名追加した。 本年度の成果の意義は、研究体制を維持し研究目的を明確に共有しながら、データの蓄積をかさねて、分析にむけた準備を着実にすすめたことである。またブラジルでの調査を合計3人が個別におこなうことができ、次年度の調査にむけて重要なラポールの構築ができたことも重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブラジル人学校での調査は継続されており、さらにブラジルでの予備的調査もおこなわれ、次年度への本格的な調査にむけた基盤ができた。ただし若者へのインタビュー数が予定よりはすくない。その理由は2つある。一つは、交付額が申請の3分の2となって、期間全体での研究費の使用の配分を変更し、本年度にかぎっては出張回数を減らさなければならなくったという事情。もう一つは、学内の倫理委員会の承認をうけなければならなくなったため、インタビューの開始がおくれたと同時に、インタビューへの同意をえるためのハードルが高くなったという事情である。
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今後の研究の推進方策 |
まずは代表者と分担者がそれぞれインタビューをかさねて、データの蓄積をおこなうこと。さらに分析をおこなうため、世界的な先行研究の収集と分析をおこなうこと。そして最終年度での学会発表にむけて、データを分析し、知見を整理することを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
交付額が申請の3分の2ほどとなり、最終年度の交付予定額が極端にすくなくなった。そのため、期間全体での研究費の配分をずらし、基金分を翌年度にもちこすことを決めた。 プロジェクトの最終年度の配分予定額がすくないため、もっとも効率的にデータ収集ができると予想される二年目と最終年とで、インタビューデータの収集のために出張・テープおこし・翻訳などの費用として使用する予定である。
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