研究課題/領域番号 |
25285239
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉田 文 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10221475)
|
研究分担者 |
村澤 昌崇 広島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00284224)
田中 正弘 弘前大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30423362)
濱中 淳子 独立行政法人大学入試センター, その他部局等, 准教授 (00361600)
二宮 祐 日本工業大学, 工学部, 講師 (20511968)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 大学院修士課程 / 社会科学系 / 大学院大衆化 / 学生の資質 / 教育内容と方法 |
研究概要 |
2013年度は、研究の分析枠組みである、大学院教育―労働市場における処遇―院生・修了生の意識・態度のトライアングルのうち、大学院教育について明らかにすることを目的として、大学院修士課程を教えている教員に対するアンケート調査を実施した。 全国大学一覧から広義の社会科学系の大学院修士課程をとりだし、研究科長に対して、調査票の教員への配布を依頼の可否をたずね、許可を得たところに調査票を郵送し、配布をお願いした。教員からの回答は任意とした(調査の実施は11月、調査票の配布数は 10,582票、有効回収数は1,058票、有効回収率は10.0%)。 調査項目は、専攻の属性、入学者選抜、教育内容・方法の工夫、修士課程大学院生の資質、キャリア支援、修士課程修了者の進路、修士課程修了者に対する評価などである。 本格的な分析は、2014年度に実施するが、伝統的、かつ、威信の高い大学院においては、研究志向が強く、学生に対する評価は高いが、教員からみた労働市場の学生評価は低く、教員は修了生を評価しても、労働市場はそれを評価していないという見方があることが推測される。他方、新設の、威信の高くない大学院では、職業教育志向が強いが、修了生に対する教員の評価はあまり高くなく、教員からみた労働市場の学生評価も低い。 また、2013年9月には、小規模の大学院修士課程のケースとして弘前大学を訪問し、研究科長にインタビューを実施した。学術研究を志向する学生は、研究大学の大学院をめざし、社会人からの大学院に対する需要は低く、大学院が十分に機能していない状況が明らかになった。 大学院の大衆化によってステータスも分化していることが推測されるとともに、威信の高い大学院とそうでない大学院とが、それそれ別種の問題を抱えていることが推測される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度は、研究の分析枠組みである、大学院教育―労働市場における処遇―院生・修了生の意識・態度のトライアングルのうち、大学院教育について明らかにすることを計画しており、予定通り、大学院修士課程の教育を担当している教員に対するアンケート調査を実施することができた。 そのための研究会も、予定通りに開催し、あわせて2014年度は海外調査として、中国を対象に実施することに関しても、中国班を中心として計画を進めた。 訪問調査は、2研究科にとどまり、本来ならばもう少し増やしたかったが、少数の事例ながら、詳細な情報が得られ、アンケート調査を分析する際の有効な手がかりを得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
現在のところ、2014年度、2015年度ともに計画の大枠に変更はない。2014年度は、1.2013年度教員調査の分析・学会発表・報告書作成、2.中国調査、3.労働市場調査(インタビュー調査、アンケート調査・・・現在、交渉中)を実施し、2015年度は、1.2013年度の労働市場調査の分析・学会発表・報告書作成、2.アメリカ調査、3.修了生・在学生に対するアンケート調査を実施する予定である。 ただし、アンケート調査の場合、受諾の許可が必要であり、2014年度に関してはすでに交渉中である。2015年度分に関しては、2014年度後半に交渉を開始する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
直接経費次年度使用額が12,797円生じたのは、研究分担者が所属機関の移動などにより、予定された機関の訪問調査ができなかったことによる。 未使用金額は、2014年度経費と合算して、2014年度の研究経費のうち当初予定よりも超過が心配されている中国における訪問調査に使用する。
|