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2013 年度 実績報告書

自国史を越えた歴史認識の共有をめざす日韓共通歴史教材の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25285249
研究種目

基盤研究(B)

研究機関桜美林大学

研究代表者

田中 暁龍  桜美林大学, 人文学系, 准教授 (30511852)

研究分担者 小林 知子  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10325433)
小松 伸之  清和大学, 法学部, 講師 (80609777)
山崎 雅稔  國學院大學, 文学部, 助教 (40459392)
小瑶 史朗  弘前大学, 教育学部, 准教授 (50574331)
山口 公一  追手門学院大学, 国際学部, 准教授 (20447585)
鈴木 哲雄  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20374746)
國分 麻里  筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (10566003)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード国際研究者交流 / 大韓民国 / 歴史教育 / 日本史 / 韓国史 / 教材学
研究概要

日本と韓国双方の国内における数度の研究会の協議と平成25年7月・9月の2度にわたる事前の打ち合わせを経て、平成24年1月11日に國學院大学渋谷キャンパスを会場にして、第1回日韓国際シンポジウムを開催した。
第1回日韓国際シンポジウムでは、韓国側5名を迎え、うち韓国側2名と日本側2名による報告を行い、日本側・韓国側それぞれの「歴史教育の現状と課題」、「日韓歴史共通教材『日韓交流の歴史』の成果と課題」、「韓国高等学校選択歴史科目『東アジア史』の現状と課題」について報告し、日本側2名と韓国側1名が報告に対するコメンテーターとして発言し、その後フロアーを含めた総合討論を行った。また日本側2名が日韓歴史共通教材を見据えた教材案を提示し、教材案のテーマや内容、形態等について意見交換を行った。
第1回日韓国際シンポジウムの結果、日韓双方の研究分担者・研究協力者間において研究交流が円滑に行われたことや、日韓双方が事前の打ち合わせに従い、締め切りを守って相互に準備、報告原稿を提出し、日本側を中心に翻訳作業を行って、計画に基づいた「報告集」を作成できたことが大きな成果である。
また、日韓双方が歴史教育の現状について率直に語り合い、そこでは日韓の両国ともに、教育制度や教科書をめぐる問題が惹起しており、それぞれが自国史中心の歴史観が内包する問題点を乗り越える必要があるとの認識を提示した。
今後、両国の「歴史和解」を念頭に共通教材の作成を進めていくが、参加メンバー相互の信頼と動機づけを高める効果をもたらした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

まず、日本側の研究代表者・研究分担者及び研究協力者間における継続的な研究会が行われるともに、日本と韓国双方の国内における数度の研究会の協議と平成25年7月・9月の2度にわたる事前の打ち合わせを経て、平成24年1月11日に國學院大学渋谷キャンパスを会場にして、第1回日韓国際シンポジウムを開催できたことである。
そして、平成24年1月に予定した日韓国際シンポジウムに向けて、日韓双方で報告書のための原稿の執筆を行い、その原稿を日本語と韓国語に翻訳の作業を行って冊子として製本し、準備作業が計画通り進められたことである。
さらには、第1回目の日韓国際シンポジウムが予定通り開催され、日韓双方の歴史研究者や歴史教育研究者のほか高校現場の教師が一同に会して、具体的な教育実践を目指した教材作成のために活発な討議が行われたことである。
こうした日韓国際シンポジウムという共同研究を通じて、日本と韓国両国の研究者や高校現場の教師らの歴史認識や歴史意識の創造に寄与できた。

今後の研究の推進方策

第1回日韓国際シンポジウムでは、日本側・韓国側それぞれの「歴史教育の現状と課題」、「日韓歴史共通教材『日韓交流の歴史』の成果と課題」、「韓国高等学校選択歴史科目『東アジア史』の現状と課題」について報告し、かつ日韓歴史共通教材を見据えた教材案を提示し、教材案のテーマや内容、形態等について意見交換を行ったが、日韓の歴史共通教材に向けた具体的な教材案の検討は緒に就いたばかりである。
今後は、具体的なテーマ案を検討し、かつ教材案の検討と教育現場における実践的検証を行っていく必要がある。このため、日本側・韓国側双方において継続的な研究会活動を継続し、互いに教材とするテーマ案や教材案の具体的な検討を進めていく予定である。
そして、日本と韓国の双方で検討されている教材テーマ案や教材案を持ち寄って意見交換する場を設けて、連絡・調整を行い、共通認識をさらに深める予定である。
また、日本側と韓国側双方で数度の打ち合わせを行うとともに、新教材作成のための資料調査を行い、平成25年1月に第2回日韓国際シンポジウムを日本において開催し、日韓の相互交流と教材案の具体的検討を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度のシンポジウムに派遣依頼を行った韓国側のメンバーは5名であったが、今後韓国側の組織の拡大にともなって派遣依頼を行うメンバーの人数が増える可能性があり、その渡航費や宿泊費に充てる必要がある。
また、次年度平成26年度では韓国側との連絡・調整にあたって、研究代表者または研究分担者が韓国への出張する旅費が必要となる。
以上のような点を勘案して、次年度使用額として繰り越しを行った。
平成26年度の日韓国際シンポジウムに派遣依頼をする韓国側のメンバーの渡航費や宿泊費に充てることや、韓国側との連絡・調整にあたって研究代表者または研究分担者が韓国へ出張する旅費に充当することなどを計画している。

  • 研究成果

    (38件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 3件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 日韓歴史共通教材の新たな段階―『日韓交流の歴史』の課題を見据えて―2014

    • 著者名/発表者名
      田中 暁龍
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 歴史教科「東アジア史」をめぐる動向と日本の動向 報告集

      巻: なし ページ: 15-28

  • [雑誌論文] 日本の歴史教育の動向2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木 哲雄
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 歴史教科「東アジア史」をめぐる動向と

      巻: なし ページ: 5~9

  • [雑誌論文] 韓国の歴史教育の動向2014

    • 著者名/発表者名
      具 蘭姫
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 歴史教科「東アジア史」をめぐる動向と

      巻: なし ページ: 44~57

  • [雑誌論文] 韓国「東アジア史」の実践と課題2014

    • 著者名/発表者名
      朴 中鉉
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 歴史教科「東アジア史」をめぐる動向と

      巻: なし ページ: 72~82

  • [雑誌論文] 『日韓交流の歴史』を用いた実践と課題2014

    • 著者名/発表者名
      内田 博明
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 日韓歴史共通教材の射程 報告集

      巻: なし ページ: 1~8

  • [雑誌論文] 日韓歴史共通教材の課題と教材案―前近代史分野― 「前方後円墳、海を渡る 6世紀の韓半島・日本列島の文化・交流はどのようであったか?2014

    • 著者名/発表者名
      山崎 雅稔
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 日韓歴史共通教材の射程 報告集

      巻: なし ページ: 15~22

  • [雑誌論文] 日韓歴史共通教材の課題と教材案―近現代史分野― 「帝国日本は、なぜ朝鮮に神社を建てたのか? ―「帝国」日本の神社政策―2014

    • 著者名/発表者名
      山口 公一
    • 雑誌名

      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」 日韓歴史共通教材の射程 報告集

      巻: なし ページ: 31~37

  • [雑誌論文] 宝暦事件後の公家の動向―中院家の相続問題と佐賀藩鍋島家の助力―2014

    • 著者名/発表者名
      田中 暁龍
    • 雑誌名

      近世の摂家・武家伝奏日記の蒐集・統合化と史料学的研

      巻: なし ページ: 43~59

  • [雑誌論文] 「国民史」を超える試み-歴史教科書の改善および共通教材の作成に関する研究動向-2014

    • 著者名/発表者名
      國分 麻里
    • 雑誌名

      筑波教育学研究

      巻: 12 ページ: 55~73

  • [雑誌論文] 北方史研究の成果を活用した高等学校日本史授業の単元開発―13~16世紀の和人・アイヌ民族の関係史を題材として―2014

    • 著者名/発表者名
      金子勇太・小瑶史朗
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 111 ページ: 31~42

  • [雑誌論文] “文化財”に関する理解度チェック!面白クイズ2014

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 雑誌名

      教育科学・社会科教育

      巻: 659 ページ: 92

  • [雑誌論文] シリーズ「動乱の東国史」と歴史教育2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木 哲雄
    • 雑誌名

      歴史地理教育

      巻: 803 ページ: 64~65

  • [雑誌論文] 座談会 日本史の論点・争点 御成敗式目四二条論2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木哲雄、黒田弘子、峰岸純夫 他
    • 雑誌名

      日本歴史

      巻: 784 ページ: 2~23

  • [雑誌論文] 朝鮮戦争下における在日朝鮮人の同時代史認識と東アジア史2013

    • 著者名/発表者名
      小林 知子
    • 雑誌名

      歴史学研究

      巻: 908 ページ: 1~11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「いのち」をテーマとした初年次教育の実践2013

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 雑誌名

      《気づき》実践

      巻: 28 ページ: 61~66

  • [雑誌論文] 「教員の資質能力」の向上を目指す教職総合演習の実践2013

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 雑誌名

      《気づき》実践

      巻: 29 ページ: 44~49

  • [雑誌論文] 「身近な地域」を見つめ直す中学校社会科歴史学習2013

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 雑誌名

      教材学研究

      巻: 24 ページ: 171~178

    • 査読あり
  • [学会発表] 日韓歴史共通教材の新たな段階―『日韓交流の歴史』の課題を見据えて―

    • 著者名/発表者名
      田中暁龍
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
  • [学会発表] 日本の歴史教育の動向

    • 著者名/発表者名
      鈴木 哲雄
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
  • [学会発表] 韓国の歴史教育の動向

    • 著者名/発表者名
      具 蘭姫
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
    • 招待講演
  • [学会発表] 韓国「東アジア史」の実践と課題

    • 著者名/発表者名
      朴 中鉉
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
    • 招待講演
  • [学会発表] 『日韓交流の歴史』を用いた実践と課題

    • 著者名/発表者名
      内田 博明
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
  • [学会発表] 日韓歴史共通教材の課題と教材案―前近代史分野― 「前方後円墳、海を渡る 6世紀の韓半島・日本列島の文化・交流はどのようであったか?

    • 著者名/発表者名
      山崎 雅稔
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
  • [学会発表] 日韓歴史共通教材の課題と教材案―近現代史分野― 「帝国日本は、なぜ朝鮮に神社を建てたのか? ―「帝国」日本の神社政策―

    • 著者名/発表者名
      山口 公一
    • 学会等名
      日韓国際シンポジウム「日韓歴史共通教材の新たな地平を目指して」
    • 発表場所
      國學院大學(渋谷キャンパス)
  • [学会発表] 教職課程の学びの入口と出口―教職入門と教職実践演習を中心に―

    • 著者名/発表者名
      田中暁龍
    • 学会等名
      日本教師教育学会「課題研究 III:教師教育の高度化」第7回例会
    • 発表場所
      国士舘大學(世田谷キャンパス)
  • [学会発表] 「東アジアにおけるサイバー極右主義の出現と対応」での討論者

    • 著者名/発表者名
      小林 知子
    • 学会等名
      2013ハンギョレ-釜山国際シンポジウム
    • 発表場所
      韓国 釜山ヌリマルAPECハウス
    • 招待講演
  • [学会発表] 韓国における多文化的状況と社会科教育-歴史教育を手がかりにして-

    • 著者名/発表者名
      國分 麻里
    • 学会等名
      日本社会科教育学会(課題研究)
    • 発表場所
      山形大学
  • [学会発表] 社会科における世界遺産の教材化の視点と可能性

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 学会等名
      日本教材学会第25回研究発表大会
    • 発表場所
      日本大学文理学部
  • [学会発表] 世界遺産の視点を組み込んだ文化学習の展開

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 学会等名
      日本社会科教育学会第63回全国研究大会
    • 発表場所
      山形大学
  • [学会発表] 「いのち」をテーマとした教職総合演習の実践(II)

    • 著者名/発表者名
      小松 伸之
    • 学会等名
      日本生活科・総合的学習教育学会 第22回全国大会
    • 発表場所
      兵庫県立明石高等学校
  • [学会発表] <書評>樋浦郷子『神社・学校・植民地』(京都大学学術出版会、2013年)

    • 著者名/発表者名
      山口 公一
    • 学会等名
      朝鮮史研究会 関西部会7月例会
    • 発表場所
      中津センタービル8階会議室
  • [学会発表] 戦時期朝鮮における神社研究の諸論点

    • 著者名/発表者名
      山口 公一
    • 学会等名
      「戦時期朝鮮の諸相」研究会
    • 発表場所
      京都大学人文科学研究所会議室
  • [図書] 史料が語るエピソード 日本史100話2013

    • 著者名/発表者名
      田中暁龍、樋口州男、中村俊之、戸川点、ほか13名
    • 総ページ数
      295(200~211、228~241)
    • 出版者
      小径社
  • [図書] 近世人の事典2013

    • 著者名/発表者名
      田中暁龍、深谷克己、井上智勝、大橋幸泰、ほか66名
    • 総ページ数
      352(228~229、234)
    • 出版者
      東京堂出版
  • [図書] 新しい社会科教育法2013

    • 著者名/発表者名
      田中暁龍、佐藤徹、高橋忠良、ほか3名
    • 総ページ数
      156(4~15、50、56~61、139~143)
    • 出版者
      東海大学出版会
  • [図書] 岩波講座 日本歴史 第6巻 中世12013

    • 著者名/発表者名
      鈴木哲雄、桜井英治、ほか12名
    • 総ページ数
      310(228~234)
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] 教材事典-教材研究の理論と実践-2013

    • 著者名/発表者名
      小松伸之、小倉勝登、田﨑義久、根本徹、ほか121名
    • 総ページ数
      622(106~109、120~121)
    • 出版者
      東京堂出版
  • [図書] アジアの都市と農村2013

    • 著者名/発表者名
      追手門学院大学国際教養学部アジア学科編(山口公一ほか)
    • 総ページ数
      316
    • 出版者
      和泉書院

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公開日: 2015-05-28  

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