研究課題/領域番号 |
25285250
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
押谷 由夫 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (50123774)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 道徳教育推進プログラム / 幼、小、中学校の道徳教育の連携 / 道徳教育のカリキュラム / 学校、家庭、地域連携の道徳教育 / 総合単元的道徳学習 / 「特別の教科道徳」 / 国際情報交換(フィンランド) |
研究実績の概要 |
本研究は、改正教育基本法において強調された幼児期からの生涯にわたる人格形成の基礎づくりの中核となる道徳教育のあり方について提案を行うものである。具体的には、生涯にわたる人格形成の基礎づくりという視点から、幼稚園、小学校、中学校と一貫して取り組める連続的な道徳教育推進プログラムを開発することを目的としている。 今年度は、昨年度の実績を踏まえて特に次の点の研究を行った。第1は、外国の道徳教育研究者との共同研究の推進である。中国、韓国、アメリカの研究者との交流は継続しながら、現地での研究交流として韓国とフィンランドを訪問した。韓国では、韓国倫理道徳教育学会会長をはじめソウル大学、ソウル教育大学の研究者との研究交流、現地の学校訪問及び授業参観による研究交流を行い、教科としての道徳の在り方について学ぶことができた。フィンランドでは、ユバシュキュラ大学とヘルシンキ大学の研究者と研究交流を行った。また現地の学校を訪問し授業参観に基づいて、特に学力形成と道徳性の育成、宗教教育と道徳教育に関する取り組みについて研究を深めることができた。第2は、世田谷区と長浜市の道徳教育についての実態把握である。昨年度から発達させて学校レベルでの取り組みについて分析を行った。教育委員会と各学校と地域が一体となっての地域や学校の特質を生かした道徳教育について分析を深めた。第3は、日本の道徳教育の実態と方向性について研究した。平成27年3月27日に「特別の教科道徳の」学習指導要領が告示され、道徳教育の抜本的改革がスタートした。その内容分析と意義、具体的実践について分析を深めた。それらを通して新たな幼、小、中学校連携の道徳教育プログラムの開発に向けて研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した通りの研究を順調に行うことができた。外国の研究者との交流と外国の道徳教育についての理解と研究交流を深めるために今年度はフィンランドを訪問し貴重な研究交流を行うことができた。また現在日本の学校では「特別の教科道徳」の設置を中核にして道徳教育の抜本的改革に向けて大きく動き出している。それらに最前線でかかわることができていることも研究の充実につながっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、外国の道徳教育及び研究者との交流に関しては、さらに継続的に研究を深め、今後とも現地を訪問しての研究交流を図っていきたい。また世田谷区や長浜市の道徳教育の実態や具体的取組については、特定の学校においてより積極的なかかわりを行い、具体的提案についての実践をしていただきその成果についての分析を行いたい。さらに「特別の教科道徳」の設置による道徳教育改革について学校現場の先生方や研究者との交流を図り、具体的方向性について研究分析を深めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度4か所の外国調査を計画していたが、2か所のみとなりかつ日数も短くしか取れなかったため、予算を次年度に回すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度においては、外国調査を増やして計画し研究を遂行する予定である。
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