本年度は延長期間であり、大きく3つのことに取り組んだ。オーストラリアの現地研究と、研究のまとめと、研究成果の公表である。 これからの教育においてはグローバルな視点から共生を中核として、よりよく生きる力を育てる教育が不可欠である。オーストラリアは、自国の文化を大切にしながら、グローバル化にいかに対応するかについて国をあげて取り組んでいる。またナショナルカリキュラムも開発しその具体化に取り組んでいるが、主体は学校現場であり、教師である。その実態を調査研究することができた。特に道徳教育においては、学校経営、学級経営の中核に位置づけており、各学級には学校目標と同時に各学級の目標が掲示されてあり(ほとんどが道徳的目標)、その中から一つを選び毎日の課題とし、そのことに関して各自のノートに記入するようにしている。さらに、授業においては、教科書は使用せずプリントを用意し、それを元に授業を行っていく。子どもたちは、プリントをノートに貼り、いろんなことを書いていきノートを独自のテキストとして創り上げている。教師は、ほぼ毎日学年段階で時間を調整し研修の会議をもつようにしている。観察をもとに具体的に協議を行った。もし、「特別の教科道徳」を設置するとすればどのように展開するかも話し合った。 研究のまとめにおいては、4冊の冊子にまとめた。現在取り組まれている道徳教育の抜本的改善・充実に関して、その中核となる「特別の教科 道徳」についての理解とこれからの道徳教育の方向性を探るための資料も含めて冊子を作成した。 また、研究成果の発表については、学会において発表すると共に、フォーラムを開催して、広く関心を持ってられる皆さんに公開した。参加者は150名を超え、一定の成果を上げることができた。その中で、冊子を配布した。冊子は関係者に配布した。
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