研究課題
基盤研究(B)
知的障害者の運動機能は、機能水準の低さが問題にされることが多いが、機能水準の変動性の問題は十分に議論されていない。本研究では、運動機能の変動性の問題に着目し、知的障害者の運動機能の最適化条件を検討した。主な成果は次の通りである。①知的障害者のうち、反応時間の変動性が大きい者では、運動スピードに問題がなくても時間あたりの運動課題の到達度が低かった。②求められている行為を明確にすることで、運動機能の変動性を低下させることができる。③課題の到達度を高める指導の初期では、運動スピードを向上させることよりも、課題内容の明確化を通して機能水準を安定化させることが、運動パフォーマンスの最適化につながる。
障害児心理学