研究課題
本研究の目的は、教科書へのアクセシビリティを向上させるシステムを構築することである。インクルーシブ教育を推進するためには、教科書へのアクセスは、重要な合理的配慮事項である。特に、視覚障害者にとっては、配慮がなければ、教科書へのアクセスは困難であり、修学に大きな影響が出ると考えられる。義務教育段階では、点字・拡大教科書が無償で給与される体制が整っており、実態調査も行われている。しかし、高等学校以降では、使用状況や効果の実態も明らかになっていなかった。そこで、本研究では、後期中等教育に焦点を絞り、教科書デジタルデータの活用実態を調査した上で、教科書デジタルデータ活用システムを構築するための基礎研究を実施した。平成27年度は、教科書デジタルデータ活用システムを構築するために教科書協会やボランティア団体に対してヒアリング調査を実施した。また、デジタルデータ活用の要件と効果の分析をするために、データ管理機関のヒアリング調査を実施した。そして、デジタルデータを活用したアクセシブルな教科書を様々なフォーマットで試作し、その有効性を検証した。さらに、教科書デジタルデータを有効活用するための研修プログラムを試作し、研究協力校の教員や生徒に対して試用を行った。研究成果を普及・啓発するために、日本ロービジョン学会や日本特殊教育学会等の国内の学会、ヨーロッパロービジョン学会等の国際学会で発表を行った。また、第9回拡大教科書の在り方に関する公開シンポジウム「タブレットPC時代の弱視教育を支える人的環境づくり」、第10回拡大教科書の在り方に関する公開シンポジウム「教科書デジタルデータを活用した教育実践」、日本特殊教育学会自主シンポジウム「教科書バリアフリー法と特別支援教育(6)――デジタル教科書のアクセシビリティ――」、第57回日本弱視教育研究全国大会ワークショップ等を実施した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本ロービジョン学会誌
巻: 15 ページ: 70-78
教育情報-教室の窓-2015.1
巻: vol.44 ページ: 16-17
福祉のまちづくり研究2015
巻: 17(3) ページ: 18-20
弱視教育
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情報誌・障害をもつ人々の現在
巻: No.89 ページ: 9-18
特別支援教育 平成27年冬
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特別支援教育実践センター研究紀要
巻: 13 ページ: 53-63
週刊なぞとき
巻: 50号 ページ: 34-34
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/research/largeprint/index.html