研究課題
3年目は金ナノ粒子を使った階層的なカプセル状集合体形成を進めた。大小2つの粒径の金ナノ粒子をフッ素化オリゴエチレングリコール存在下で混合すると常にカプセルの表層が小さい粒子で覆われていることが分かった。直径5nmと30nmの金ナノ粒子を混合すると、内部に30nmの凝集体が入り、その表層を5nmの粒子が覆う卵黄/殻型の特殊なカプセル構造になっていることがわかった。電子顕微鏡による詳細な解析で、カプセル内部の30nmの粒子とそれを覆う5 nmの粒子はほぼ分離していることがわかった(東北大学との共同研究として行った)。大小のサイズ比が大きいほど相分離が進みやすい傾向にあることもわかった。このサイズ分離の駆動力は小さな粒子がカプセルを作る力と、カプセル形成時に大きな粒子を内部に排出する枯渇力であることが推察された。またこのカプセル形成は、乾燥プロセスによるものではなく溶液中ですでに相分離が起きていることが分かった。これらの研究は、溶液中での新しい粒子カプセルの形成方法として学術論文として発表するに至った。また今までグルコースを先端にもつフッ素化オリゴエチレングリコール分子(GFL)を使っていたが、先端にカルボン酸をもつフッ素化分子(CFL)で同様に集合化を調べたところGFLよりも安定にジオキサン/水混合溶液に分散することがわかった。CFLは磁性粒子などのカプセル形成剤として十分に期待できるため、今後の新しい展開につながる成果が得られた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Adv. Opt. Mater.
巻: 4(2) ページ: 259-263
DOI: 10.1002/adom.201500509
高分子論文集
巻: 73(2) ページ: 147-156
DOI: 10.1295/koron.2015-0055
J. Am. Chem. Soc.
巻: 138(10) ページ: 3274-3277
DOI: 10.1021/jacs.5b12456
J. Phys. Chem. C
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
化学工業
巻: 66(4) ページ: 300-304