研究課題
固体と液体の接触面で、固体内に侵入できない液体分子が層状に整列する現象は「界面液体の構造化」として知られている(図1左)。構造化した界面液体が電荷移動・物質移動・化学反応・摩擦・伝熱などの現象に深く関係する可能性は1960年代から指摘されてきた。しかしながら、両側を凝縮相に挟まれた埋没界面に存在し、しかも軽元素からなる流体である界面液体の構造を実験的に計測することは簡単ではない。代表者は原子間力顕微鏡で固液界面を走査し、顕微鏡探針が液体分子から受ける力の強弱分布を計測することで、不均一な界面液体を平均化せずに断面計測する可能性に着目して実験方法論の整備を進めてきた。本研究では固液界面に存在する「構造化した界面液体」の断面構造(界面垂直な平面にそった密度分布)を周波数変調方式の原子間力顕微鏡(FM-AFM)を使って計測した。(1)固体表面が界面液体とどのように構造接続するか(2)界面液体がバルク液体とどのように構造接続するかを実験によって明らかにすることが目的である。同時に、計測に用いるAFM探針が計測結果におよぼす影響を統計力学的な考察と分子動力学シミュレーションを併用して評価する。固体と液体の化学組成と分子構造という構造要素(サイズ0.1-1 nm)が、界面液体層の大域構造(サイズ1-10 nm)を規制するメカニズムを分子論的に解明して、複雑系の理解と制御を指向する新世代のサイエンスとテクノロジーにとって意義あるコンセプトを提案することを目的とした。最終年度であるH27年度は(1)FM-AFMに中性子反射率解析を組み合わせて潤滑界面の構造組成分析の方法論を開拓し(2)統計力学的な考察によって、原子間力顕微鏡探針が存在しない場合の界面液体構造を、原子間力顕微鏡による計測結果をもとに決定する手法を考案して有効性を実証した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 11件、 招待講演 8件) 備考 (4件)
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 18 ページ: 未定
not yet determined
顕微鏡
巻: 51 ページ: 未定
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