本研究では、ナノカーボン機械共振器において非線形振動の発生機構解明と制御の実現を目的とし、実験、分子動力学計算の両面から、機械的振動の非線形応答やこれらを利用したQ 値の制御の可能性について検討した。その結果、ナノカーボン振動子近傍にポテンシャル場を設けることで容易に線形振動から非線形振動へ変移させることに成功した。さらに、ポテンシャル場に遅延効果を導入することで見かけの損失項に作用しQ値制御が可能であることを見出した。これにより、力検出感度のさらなる向上や非線形効果を利用した新奇ナノ電気機械デバイスへの展開が期待できる。
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