研究課題
我々が独自に開発したミクロ相分離構造の光配向技術をデバイス材料に応用する研究を遂行し、側鎖型液晶高分子ブロックを持つブロックコポリマー材料系の検討を進め、以下の結果を得た。1) 垂直配向性ラメラ構造を示す超分子液晶ブロックコポリマーの開発:ポリスチレン-block-ポリ(4-ビニルピリジン)(PS-b-P4VP)とアゾベンゼンカルボン酸(AzCOOH)との複合体(PS-b-P4VP/AzCOOH)が超分子液晶性ブロックコポリマーとなることを示し、デバイス構造に有用な垂直ブロックコポリマーラメラ構造を形成することを明らかにした。本年度は、AzCOOHの構造最適化を進め、より幅広い温度領域にて液晶相を発現する分子設計を行った。2) ランダムプレーナー配向を誘起する液晶高分子の発見:側鎖型液晶性高分子は、薄膜にて排除体積効果から垂直配向性を示すことが一般的である。様々な液晶基および主鎖構造の側鎖型液晶薄膜の構造解析を進め、ポリ(シアノビフェニルメタクリレート)(PCBMA)が、スペーサーによらず特異的にランダムプレーナー配向性のスメクチック相を示すことを明らかにした。現在、PCBMA-block-P4VPを合成し、配向化を試みている。3) ミクロ相分離構造の光配向メカニズムの解明:液晶性ブロックコポリマーのミクロ相分離構造の光配向メカニズムを解明するため、偏光顕微鏡観察、偏光吸収スペクトル観察、斜入射X線散乱測定をすべて光照射下in-situ観察にて行った。側鎖型液晶性アゾベンゼンブロックのアゾベンゼン基、スメクチック液晶相、ミクロ相分離構造の分子階層的な配向変化をリアルタイム観察でき、光配向過程は、液晶相を保ったミクロ相分離ドメインが回転する機構を経ることが明らかとなった。配向中間構造の解析にも同機構が証明され、ミクロ相分離構造の光配向にきわめて重要な知見が得られた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 9件) 学会発表 (43件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Chem. Rec.
巻: 16 ページ: 378-392
10.1002/tcr.201500232
Langmuir
巻: 32 ページ: 909-914
10.1021/acs.langmuir.5b04325
Macromol. Chem. Phys.
巻: 217 ページ: 726-734
10.1002/macp.201500504
RSC Advances
巻: 6 ページ: 9152-9159
10.1039/C5RA25496E
C & I Commun
巻: 41 ページ: 21-23
巻: 31 ページ: 11379-11383
10.1021/acs.langmuir.5b02442
Macromolecules
巻: 48 ページ: 2217-2223
10.1021/acs.macromol.5b00299
Soft Matter
巻: 11 ページ: 5918-5925
10.1039/C5SM01140J
巻: 48 ページ: 6378-6384
10.1021/acs.macromol.5b01577
J. Phys. Chem. C
巻: 119 ページ: 21767-21774
10.1021/acs.jpcc.5b03292
巻: 31 ページ: 5174-5180
10.1021/acs.langmuir.5b00036
Mol. Cryst. Liq. Cryst.
巻: 614 ページ: 118-123
10.1080/15421406.2015.1050284
巻: 617 ページ: 5-13
10.1080/15421406.2015.1075356