Si基板上に理想的な配向を示すPZT系単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる技術を開発した。PZTの成膜法はスパッタ法であり,急冷法を用いて,従来はSi基板上では不可能であった理想的な配向制御(正方晶のc軸配向制御)を実現した。その結果,高い圧電定数,低い誘電率,それらから導かれる極めて大きな性能指数,バルク材料のそれより大幅に高いキュリー点など,これまでに実現されていない応用上極めて優れた特性を確認した。低抵抗の金属バッファ層のスパッタ成膜にも成功した。さらに,得られたPZT系単結晶薄膜の実用性を実証するため,MEMS構造を作製し,プロセスダメージが生じないことも確認した。
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