化学反応の高速解析、生物質中の活性酸素の定量分析、機能性物質の劣化や経時変化の解析などへの応用を目的とした超微量フリーラジカルセンサの試作および評価を実施した。本研究では、電子スピン共鳴に基づく新しい測定法を提案した。従来の電子スピン共鳴測定装置とは異なり、直流電圧掃引のみによって、フリーラジカルの電子スピン共鳴スペクトラムが得られることを理論的に示した。さらに、標準的なLSI製造技術(CMOS 180nm)を用いて、1GHzの周波数帯を用いたフリーラジカルセンサを試作し、DPPH, TEMPOLなどの市販フリーラジカルに対して電圧掃引による電子スピン共鳴スペクトラムを得ることに成功した。
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