トンネル接合型固体冷凍器は、極低温センサーの冷却効率を劇的に改善する技術として注目されている。ここではSuspend型の固体冷凍器を開発を行い、極めて高効率な冷却(0.334Kのベース温度で0.0093K)がなされていることを確認した。コンダクタンスと熱輸送を連立して解くことにより、電子温度と超伝導ギャップを正確に求める手法を開発し、さらに非平衡超伝導理論を適用することにより、現在の冷凍能力のリミットが準粒子によるペア破壊であることを明らかにした。これは強磁性トンネル等を用いた接合部の改良による準粒子注入の高効率化では冷凍能は向上せず、廃熱部等の能力改善等を行う必要があることを示している。
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