その場観察電子顕微鏡への応用を目指して、焦点位置をビデオレートで自動追尾できる実時間波動場再構成電子顕微鏡システムを開発した。新しいシステムでは、ビデオレートで焦点位置を追尾しながら、同時に球面収差、2回対称非点収差、3回対称非点収差、コマ収差を補正して結晶下面波動場を表示することが可能である。焦点位置追尾精度は0.3nmが実現でき、試料ドリフトのない原子挙動観察が可能になった。本手法をグラフェンを生成しているコバルト微粒子の表面観察に適用し、コバルト触媒粒子の母格子とグラフェン格子を分離観察して、グラフェンは表面から数原子層下の結晶内に前駆体を形成して生成することを明らかにした。
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