研究課題
本研究では、レーザー励起テラヘルツ波により、高感度なスピン分光を実践し、スピンダイナミクスを明らかにするとともに、スピン状態の制御を試みることである。また、高強度なテラヘルツ波パルスによる、非線形な応答の現象の探索を進めることである。弱強磁性体であるErFeO3において、その試料表面に金属微細構造を作成し、テラヘルツ波の磁場成分を一桁程度増強できることを示した。さらに導波路構造を組み合わせることで、さらなる電場成分および磁場成分を増強できることを確認した。これらの増強された近接磁場成分を利用することで、これをテラヘルツ波磁場パルス励起および光パルス励起と組み合わせることで、スピン再配列転移における巨視的な磁化成分のコヒーレント制御に成功した。これにより、テラヘルツ磁場パルスをいれるタイミングによって、磁化の向きを超高速に制御できることを示した。また、希釈冷凍機内で動作し、極低温強磁場下で測定可能な、狭帯域CWテラヘルツ分光システムの開発を行った。高強度なテラヘルツ波パルスを微小金属集団に照射することにより、金属微粒子の表面に存在する酸化膜層がブレイクダウンし導通することにより絶縁体状態から金属的な伝導状態に転移するテラヘルツコヒーラーを観測し、この現象が金属微粒子間における電場増強効果と多体系におけるパーコーレション伝導が関係した現象であることを明らかにした。2次元コヒーラーにおいては、テラヘルツ照射スポットのイメージングが可能であることを確認した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 20件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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