研究課題/領域番号 |
25286065
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
柏木 謙 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10509730)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 光周波数コム / 光パルスシンセサイザ / 分光分析 / 干渉計測 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、主に光周波数コムのさらなる広帯域化と分光分析応用の基礎検討を行った。 本研究課題の応用の一つは、周波数間隔の広い光周波数コムをスペクトルシフトすることによる分光分析である。様々な測定対象に対応するためには、広帯域な光源が不可欠である。そのために、光周波数コムを帯域拡大する際に利用する光パルスを圧縮してピーク強度を高めることにより、従来よりも帯域を拡大した。 本研究課題の応用の一つである分光分析として、透過帯域の狭いファブリペローフィルタを測定対象とした基礎検討を行った。広帯域化したコムをスペクトルシフトしながらファブリペローフィルタに入力し、その透過率を測定した。その結果、1MHz以下の分解能で分光測定が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全体的には着実に進捗しているが、導入する予定であった一部の手法が含まれていない。 研究実績の概要で説明した通り分光分析の基礎検討はすんでいるが、本研究課題の分光分析では高感度測定のために光へテロダインを予定していた。しかし、現状ではこの手法の導入にまで到達していないため、本来行う予定であった高感度化や測定強度のダイナミックレンジの評価にまで及んでいない。本手法の導入が遅れているが基礎検討は終了しているため、自己評価としてやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では、測定感度向上のために、導入の遅れていた光へテロダイン検出を実現する。そのために、広帯域に生成した周波数コム全体の局発光として、AOTFを利用した自己参照マルチヘテロダイン法を構築する。 また、さらなる高感度化と高ダイナミックレンジ計測のために、ロックイン検出法を導入する。ロックイン周波数で弱く変調した光パルスから、光周波数コムを広帯域化することで、全周波数成分にロックイン周波数変調が掛かっている広帯域なマルチギガヘルツコムを生成する。そのコムと上記の局発光とを合波して検出することで、広帯域に対応する高感度測定を実現する。
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次年度使用額が生じた理由 |
手法の導入が遅れているヘテロダイン検出用のAOTFの購入が遅れているためである。また、人件費や旅費が予定よりも抑えられたことも理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
必要仕様のAOTFの購入を初めとして、外部発表のための旅費や英語論文投稿料に使用する予定である。
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