平成27年度は、主に光周波数コムの分光分析応用についてさらに検討を進めた。 本研究課題では、大気中のガス分析のために損失が大きくでる長距離での測定を念頭に、ダイナミックレンジの広い測定を目指した。このようなことから、透過スペクトルの安定しているHCNガスを試料に吸収分光を進めた。 広帯域化したコムのスペクトルを全体的にシフトしながらHCNガスセルに入射し、その透過率を測定した。HCNガスの複数の吸収線が同時に測定できており、非線形効果により拡大したスペクトル線を同時に分光に利用できることを確認した。 また、ガスセルの前後に合計70 dB以上の損失を追加しても測定ができており、広ダイナミックレンジ測定の可能性を見いだした。
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