研究課題/領域番号 |
25286069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西澤 典彦 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30273288)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 応用光学・量子光工学 / ナノチューブ / 光周波数コム / 光ファイバ / ファイバーレーザー / スーパーコンティニューム / レーザー |
研究概要 |
1.高出力超短パルスファイバーレーザーの開発 まず波長可変光周波数コムの種光源となる超短パルスファイバーレーザーを開発した.今回は,安定な全ファイバ型の構成を実現できる,カーボンナノチューブフィルムを用たファイバーレーザーを開発した.今回は,共振器構成を最適化し,繰り返し周波数が100-160MHzと高いファイバーレーザーや,共振器内分散値を0に近づけたストレッチパルスモード同期レーザーを実現した.また,比較のために非線形偏波回転による超短パルスファイバーレーザーの開発も進めている. 2.シミラリトン増幅器の開発 光周波数コムシステムに用いる高精度増幅器として,光ファイバ増幅器を用いたシミラリトン増幅器を開発した.増幅器の最適化と大口径フォトニック結晶ファイバを用いて,時間幅51fs,エネルギー4.4nJの,台座成分の少ない高エネルギー超短パルスの生成に成功した.更に,生成した超短パルスを高非線形ファイバに用いて,光周波数コムに不可欠な,波長1.05~2.15umと約1オクターブに渡ってほぼ平坦に広がる超広帯域スーパーコンティニューム光の生成に成功した. 3.光周波数コムシステムの最適化によるコムモードの狭線幅化 ナノチューブファイバ―レーザーの共振器の分散特性等やナノチューブフィルムの最適化を図り,ナノチューブファイバーレーザーでは困難であったストレッチパルスモード同期を実現した.更に,励起光強度の最適化も行い,コムモードの狭線幅化を実現した.その結果,これまでの線幅を1/10まで狭窄化することに成功した.また,非線形偏波回転型のファイバーレーザーでは,非制御時ではこれまでの報告の中で最も線幅の狭い8kHzを達成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の計画通りに進展している.ファイバーレーザーの開発やコムシステムの開発と評価,および最適化においては,理想的なシミラリトン増幅器の開発など,予想以上の成果が得られている.今後,フィードバック制御用回路の開発と,それを用いた制御を行う必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初計画通りに進展している.今後も,当初の予定通り研究を進めていく.特に平成26年度は,本研究課題において必須のフィードバック制御回路の開発,そして,本研究課題の中心である,波長可変光周波数コム光源の開発を重点的に進めていく予定である
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遂行において,制御回路の設計,及び最適な非線形結晶の設計のために,更に実験を進める必要が生じた.そのため,該当する物品の購入の選定・設計・購入を次年度に行うこととした. 光周波数光光源を開発し,その諸特性を評価した後,必要な制御回路や結晶の設計・選定を行い,発注して使用する.
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