研究課題
巨大な励起子束縛エネルギーを持つ無機有機ハイブリッド物質を微小共振器に閉じ込め,これまでにない大きな結合を有する共振器ポラリトンを実現することが,本研究の目的である.2013~2014年度は,LB膜によるマイクロキャビティの作製を目指していたが,同じ試料のスピンコート膜でマイクロキャビティが実現することが判明したため,2015年度はスピンコート膜での実験に方針を転換した.スピンコート膜でのマイクロキャビティ作製の実績のある産業技術総合研究所の高田徳由幸氏を連携研究者に加え,共振器作製を実現した.共振器構造の実現には成功したが,残念ながら,無機有機ハイブリッド物質中の励起子と共振器の強結合は確認されなかった.ハイブリッド物質とスペーサー層との界面,共振器長の制御,均一なハイブリッド層の作製,などに関して,いくつか問題があることが判明した.現在,これらの改良を行い,強結合の実現に向けて研究を進めているところである.また,マイクロキャビティとは直接関係ないが,この材料系が太陽電池材料として有望であることが判明し,3年くらい前から世界中で研究が活発化している.本研究でも,励起子の特性を調べているので,励起子物性の観点から太陽電池材料としての特性の評価を行った.量子井戸材料だけでなく,太陽電池としの効率が最も高い3次元材料を中心に行い,励起子物性と太陽電池特性との関係についての理解を深めた.業績としては,国際会議・国内会議に多くの発表を行い,原著論文も発表も複数ある.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
Jpn. J. Appl. Phys.
巻: 55 ページ: in press
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doi:10.1246/cl.150204