| 研究課題/領域番号 |
25286084
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
柏木 茂 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60329133)
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| 研究分担者 |
日出 富士雄 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60292207)
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20273708)
土屋 公央 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (40236906)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 超短電子バンチ / コヒーレント / 逆コンプトン / アンジュレータ / 円偏光 |
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| 研究概要 |
平成25年度は、超短電子バンチの発生とアンジュレータの基本設計およびコヒーレントアンジュレータ光発生についての理論考察を中心に研究を進めた。
超短電子バンチ生成は、我々が開発した2空洞独立制御型高周波電子銃とアルファ電磁石を使い加速前の電子バンチの縦方向位相空間を制御し、加速管内で速度変調バンチ圧縮法を用いてサブピコ秒オーダーの電子バンチを生成する。平成25年度は高周波電子銃により生成された電子バンチの運動量スペクトルの詳細な計測から、ビームの縦方向位相空間分布の高い制御性の確認と速度変調バンチ圧縮法に適したビーム縦方向位相空間分布を作り出すためのRF電子銃およびアルファ電磁石のパラメータの最適化を行なうことができた。これらの実験と平行して、超短電子バンチのバンチ長計測システムの構築も進めた。バンチ長計測は遷移放射光を高速ストリークカメラを使い測定するが、発光点からストリークカメラまで光を平行光にして輸送する光輸送系の設計と構築を行なった。バンチ圧縮実験では高周波電子銃のパラメータと圧縮後のバンチ長の関係を詳細に調べる予定である。また、本研究では放射光の偏光を高速に変えることができる円偏光アンジュレータの開発を行なうが、研究開始時は永久磁石で構成されるアンジュレータの磁石列をスライドさせることによって磁場を変化させることを検討していたが、高速に磁石列を動かしたときの機械的強度限界や磁場の変化がビーム軌道に影響を与えることなどが分かってきた。永久磁石列を用いた円偏光アンジュレータの考察および設計を継続すると同時に高周波アンジュレータの検討も合わせて進めることにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は本研究に必要不可欠である超短電子バンチ生成に関する研究を中心に行なった。高周波電子銃の最適パラメータを明らかにすることができ、またサブピコ秒電子バンチ計測のための準備を行なうことができた。また一方で、コヒーレント光発生に用いるアンジュレータを製作するため永久磁石を製作し、各磁石の磁場強度や磁化軸の方向について基礎データを取る予定であったが、アンジュレータの設計作業の中で高周波アンジュレータを技術選択する余地もあることが分かってきた。アンジュレータの設計については順調に進んでいるので、平成26年夏頃をめどにアンジュレータ設計を決定する。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成26年度は超短電子バンチ生成とその診断を行い、サブピコ秒電子バンチ生成の手法を確立する。平成25年度に行った理論考察をもとに、電子バンチのアンジュレータへの入射条件を最適化するための電子ビーム光学系（電磁石配置）を設計する。その設計にもとづき電子ビーム輸送用電磁石を製作する。
最初のTHzコヒーレント光の確認は、超短電子バンチが金属板に入射した際に発生するコヒーレント遷移放射光を計測し、バンチ長とコヒーレント光の強度の相関を調べる。これにより、超短電子バンチが生成されていることの確認とTHz光計測技術を確立することができる。THz光の計測には応答速度の速いGeGa半導体検出器と冷却などを必要とせず簡易にTHz光計測が可能な焦電素子を使用する。これらの実験結果と25年度から行っているコヒーレントアンジュレータ放射に関する理論考察結果との比較を十分に行い、研究結果を査読論文にまとめたいと考えている。
25年度から設計を行なっているアンジュレータの製作に取りかかる。永久磁石列を用いたアンジュレータまたは高周波アンジュレータの技術選択を26年夏までに決定し、それ以降に製作に取り掛かる。磁場測定および磁場調整は、KEKの高精度磁場測定装置を使い測定し、その磁場測定データからTHz光の強度を算出する。26 年度末にはコヒーレントアンジュレータ放射光発生実験を開始する。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に円偏光アンジュレータを製作するための永久磁石を購入する予定であったが、アンジュレータを構成する永久磁石の機械的強度限界のため、高速に偏光方向をスイッチすることが難しいことが分かった。H25年度の考察で他の可能性として高周波アンジュレータの検討も開始した。アンジュレータの基本設計を完了することができなかったので、永久磁石を含めたアンジュレータ製作費用を平成26年度に繰り越す。
繰り越した分の予算については、アンジュレータ製作に用いる。
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