実用上重要であるにもかかわらず、原子番号が近いためにエックス線による散乱手法では定量評価ができなかったAl-Mg-X系軽合金のナノ析出物の構造評価を実現することを目的に、2次元小角散乱測定をAl,MgなどのK吸収端が存在する軟X線エネルギー領域において実現した。Al-Mg合金系の組織変化を散乱像の変化として可視化するための装置を作成し、実際に放射光施設においてAlのK吸収端での異常分散効果(共鳴散乱効果)の測定に成功した。異常分散による散乱コントラスト変化がCromer-Libermanによる理論計算と良く対応する変化を示すことを実証した。
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