研究課題/領域番号 |
25286098
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
越塚 誠一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80186668)
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研究分担者 |
柴田 和也 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30462873)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 計算力学 / 生体力学 / 粒子法 / 肺がん / 放射線治療 |
研究実績の概要 |
平成26年度に引き続き、肺モデルの改良を行った。具体的には以下の2点の研究を実施した。(a) 肺表面と胸郭内面および横隔膜とが互いに滑りあうような境界条件を導入した。(b) 4次元コンピュータ断層撮影(4DCT)データを活用したデータ同化手法を用いて、シミュレーションの精度向上を試みた。 改良された肺モデルの妥当性確認を行った。医用画像と定量的に比較することで、計算精度が向上した。 さらに発展的な研究として、粒子法の定式化について検討し、最小二乗法を適用することで粒子法において任意の高次精度の離散化スキームが構築できることを示した。また、時間積分スキームについて、高粘性流体に対する高精度スキームの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って研究を実施した。一部、データ同化手法の導入についてはあまり好ましい精度向上の結果が得られなかった。一方、発展的な研究として、最小二乗法に基づいた定式化による高精度化を新たに試み、よい結果を得ることができた。これらを総合すれば、おおむね順調に研究は進展したと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
計算の高精度化に関して、測定結果反映させながらシミュレーションを行うというデータ同化の手法を、これまでは導入する方針であった。しかしながら、あまりよい結果が得られなかったことと、医療の現場では使いにくいという点から、方針転換したい。 今後は、高精度化に関して定式化の基本に戻り、最小二乗法を導入することで高精度離散化スキームを開発することとしたい。この新しいスキームは粒子法における一般的な方法であるため、これまでの生体力学への応用だけでなく、適用範囲がより広い。
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次年度使用額が生じた理由 |
粒子法における高精度空間離散化スキームについては研究の発展により、コンパクトスキームの適用、境界条件、空間2階微分での検証など、新たな研究課題が多く生じた。そのため研究期間を延長して課題解決に取り組みたい。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費として国際会議参加(2回)国内学会参加(1回)、その他として学会参加費(3件)、論文掲載費ほか
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