研究実績の概要 |
アファイン複素シンプレクティック(特異点つき)多様体で、1次元代数トーラスの良い作用を持ち, この作用に関してシンプレクティック形式が斉次的になっているもののことを、conical シンプレティック多様体とよぶ. X の座標環 R は, 定義より次数付き環の構造をもつ.座標環 R の極小斉次生成元の最高次数を,Xの極大ウエイトとよぶ. conical シンプレクティック多様体は,代数幾何や幾何学的表現論で重要な働きをする多様体である.今年度は、もっとも素朴で自然な問い「Conical シンプレクティック多様体はどれぐらい多く存在するのか?」について研究し、次の結果を得た: 「次元 2d, 極大ウエイト N の Conical シンプレクティック多様体は、同型を除いて,高々有限個しか存在しない」 証明は、i) X に付随した射影的な接触 Fano orbifold P(X)を考えると, このようなP(X)が有界族をなすこと,ii) Xが1次元代数トーラス作用つきポアソン変形で剛的(rigid) であること,の2点を示すことによって達成される. i) では log Fano 多様体に対する Hacon-McKernan-Xu の有界性定理, ii)では、研究代表者が数年前に証明した Poisson 変形の基本定理を用いる.
|