研究課題/領域番号 |
25287015
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相川 弘明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20137889)
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研究分担者 |
志賀 啓成 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10154189)
須川 敏幸 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (30235858)
平田 賢太郎 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30399795)
加須栄 篤 金沢大学, 数物科学系, 教授 (40152657)
木上 淳 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90202035)
利根川 吉廣 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80296748)
松村 慎一 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (90647041)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ポテンシャル / 容量 / 双曲空間 / Brown運動 / Riemann面 / グラフ / 乗数イデアル |
研究実績の概要 |
一般領域のDirichlet最小固有値を容量的幅を用いて評価した.熱半群に対するIntrinsic Ultracontractivityを容量的幅とGreen関数により導いた.集合のCapacityに関する密度を考察し,密度をとる球の半径が大きくなったときの極限は0か1しかないことを導いた.双曲空間に埋め込まれているグラフの拡大定数の幾何的な評価式を与えた.n-次元の立方体を含む Sierpinski carpets の上の Brownian motion のTime change が可能で,熱核が存在して連続関数になるための十分条件与えた.双曲計量と球面幾何を用いてリーマン球面内のコンパクト集合が一様完全であるための新たな特徴付けをみつけた.また,リーマン球面から有限個の点を抜いたリーマン面の双曲距離の評価を行った. 平面上での一般的な1次元曲率流に対して, 最も重要な特異点である3重点の近傍でのε正則性定理を幾何学的測度論の枠組みで証明した. Teichmuller曲線と呼ばれるRiemann面からモジュライ空間への局所等距離正則写像について研究し,その剛性と有限性について新しい結果を得た.さらにTeichmuller空間のthick partのgeometry,特にその凸性について新たな知見を得た. 半正値ではあるが正値性ではない曲率を持つ直線束の特異計量と ,その特異性を測る乗数イデアル層を研究し,乗数イデアル層を用いたコホモロジーの単射性定理を定式化し ,最小特異計量に対する Nadel型のコホモロジー消滅定理を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者,分担者ともに活発な研究活動を行い,昨年度は査読付き論文14編(掲載予定含む)を発表し,招待講演16件(代表的なものを選定)を行った.ポテンシャル論を中核とし,複素解析,PDE,確率論,幾何学に渡る多様な研究成果が上がった.
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今後の研究の推進方策 |
ポテンシャル論を中核とした多様な研究を研究代表者・分担者が関連しながら推進する.今年度は研究分担者に濱田,濱野を加え,ポテンシャル論と多変数函数論に関連する研究を活発にする.特に本年8月には福岡で国際会議「The 23rd ICFIDCAAを at Fukuoka」を濱田を代表として開催し,1変数から多変数にまたがる複素解析,ポテンシャル論,PDEの相互研究を行う.また,9月にはフランスよりAncona教授を招聘し,ポテンシャル論に集中した研究を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年8月の韓国ICMのサテライト国際会議「第22回 International Conference on Finite or Infinite Dimensional Complex Analysis and Applications (ICFIDCAA)」で2015年のICFIDCAAが福岡で開催されることが決定した.そのため招聘予定などを延期し,2015年ICFIDCAA用の経費を保存した.
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次年度使用額の使用計画 |
研究分担者に濱田を加え,彼を中心にして本年8月に福岡で国際会議「The 23rd ICFIDCAAを at Fukuoka」を開催する.また,9月にフランスよりAncona教授を招聘して名古屋でポテンシャル論研究集会を開催する.
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