離散モデルから連続モデルまで数理物理学や幾何学に現れる非コンパクトな多様体上で古典物理学や量子物理学における散乱現象に関する逆問題を研究した。離散モデルとしては六角格子を含む格子上でのシュレーディンガー作用素に対するS行列から、コンパクトな台を持つポテンシャル、あるいは格子の欠損を再構成する逆問題を解決した。連続モデルとしては考えうる自然なクラスの中では最も広いリーマン計量をもつ非コンパクト多様体において一つのエンドに対応するS行列の成分からリーマン計量を再構成した。ここには数論に現れるオービフォールドも含まれる。
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