研究実績の概要 |
交差性に制限をもつ交差族のサイズや構造を代数的な手法を用いて研究した。半正定値計画を利用する手法(田中太初、須田庄との共同研究)に加えて、集合族に付随するグラフの固有値を用いる手法についても8月に琉球大学で田崎博之、佐久間雅、三枝崎剛との共同研究を行った。得られた成果の一部は、代数学的組合せ論研究集会(講演者は田中氏)、2016 International workshop on graph theory and combinatorics等で発表した。また Peter Franklとは最小次数に制限をもつ交差族の構造に関して、組合せ論的手法および代数的手法の両面から研究し、得られた成果については投稿準備中である。 互いにt交差する集合族の構造に関して、ランダムウォークを利用する確率論的手法で研究した。その一部はSang June Lee, Mark Siggersとの共同研究で、成果のひとつはJournal of discrete applied mathematicsに掲載予定である。 高次元の立方体における交差族の構造に関して、Peter Frankl, 篠原雅史と共同研究を行った。我々が定式化した問題は、既知の交差族に関する多くの結果を特別な場合に含んでいる。また、これまでに調べられていないいくつかの重要な場合に関して成果を得たが、その一部は、Journal of combinatorial theory (A)に発表し、別の論文を投稿中である。 特別な交差性をもつ族(L-systems)に関して組合せ論的手法、代数的手法の両面からPeter Franklと共同研究を行い、得られた結果の一部はEuropean journal of combinatoricsに発表した。またL-systems一般に関する概説を、第1回代数的組合せ論仙台勉強会で紹介した。
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