本研究の目的は、太陽系外惑星の表面構造を識別できるようにイメージングする方法を探究することである。特に、生物が存在可能と思われるハビタブルゾーンでの系外惑星、すなわ、地球型惑星を点としてでは無く広がりを持った像として捉えることである。第2の地球は、我々の地球と比べてどのようなものであろうか?太陽系外惑星を解像するには極めて高い空間分解能が必要となる。しかし、超巨大な望遠鏡を建造することは経費的および技術的にも無理である。このため、中口径の望遠鏡を広範囲に多数配列する天体干渉計の原理を用いつつ、ビームコンバインに工夫をこらしたハイパー望遠鏡が注目されている。 ハイパー望遠鏡ではスナップショットイメージングが可能となるが、その一方で、像面に周期的な像が現れる。本年度、フォトンノイズおよびディテクターノイズを有する画像データ処理について研究した。ハイパー望遠鏡の結像においては、結像におけるshift-variant性(像点の位置によって特性が異なる)を補正する必要があるが、ハイパー望遠鏡特有の周期的な結像特性がノイズ有する画像処理に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。昨年度のノイズの無い場合には、shift-variantな画像回復が可能であったクリーンアルゴリズムが最も有効であったが、ノイズレベルが上がってくると、画像切り出し効果の方が効いてくる傾向となった。 ノイズの影響を低減するために観測画像に前処理することも行ってみたが、概ね解像力の低下につながり像回復的にはその効果は大きくない傾向であった。ハイパー望遠鏡による太陽系外惑星の結像では、種々のパラメータが関与してきており今後の更なる研究展開が望まれる。
|