研究課題/領域番号 |
25287041
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長島 雅裕 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20342628)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 理論天文学 / 銀河形成論 |
研究概要 |
これまでに我々が開発してきた、冷たい暗黒物質宇宙論モデルに基づく銀河形成モデルの抜本的な改善が本研究の目的であるが、本年度においては、モデルのベースとなるN体シミュレーションを、京コンピューターを使用した、大規模なものに置き換えること、及びそれに基づいた銀河形成モデルの構築と、銀河形成モデルが含む、個別の素過程モデル(星形成など)の改善を行うことが計画されていた。 京コンピューターを使用したN体シミュレーションについては予定通り計算が終了した(連携研究者による)。このデータを利用した銀河形成モデルが動き出せば、銀河形成モデルとしては世界トップの分解能を誇り、かつクェーサーのようなレアな天体についても統計的に十分な議論ができる程度の個数を実現できる広大な領域を一度に計算可能となる。なお分解能については、過去の我々の計算により、矮小銀河だけではなく、巨大銀河にも影響を与え得ることが判明しており、重要なパラメータとなっている。現在は、最終年度においてさらに巨大な計算をするための準備にとりかかっている状態である。 また、銀河形成モデルの改善についても、基本的な改善についてはほぼ終了した。新モデルと過去のモデルの違いの分析も開始している。細かいパラメータ設定を二年目に行い、二年目中には基本的な銀河形成モデルの構築に関する論文を投稿する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
銀河形成モデルのベースとなるN体シミュレーションについては予定通り実行され、データベースにまとめられたため、計画どおりである。 銀河形成モデルの開発については、モデルの最終的確定までは至らなかったものの、あとはモデルパラメータの細かい設定を残すのみとなり、モデルの確定及び論文化への具体的な日程まで議論しており、ほぼ順調と言って良い状況にある。
|
今後の研究の推進方策 |
当面は、銀河形成モデルの細かいパラメータの設定を行い、モデルを確定し、論文として公表する。モデルが確定した段階で、同時進行で関連する論文を連携研究者と手分けして執筆していく予定である。また最終年度に向け、一層巨大なN体シミュレーションの実行への準備と、観測グループとの共同をすすめていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
年度途中に研究機関の異動が決定したため、大型機器については異動後の機関で購入した方が合理的と考え、使用を見送った。 前年度に購入を見送った大型機器(計算機)についての購入に充てる予定である。
|