研究課題
今年度は、本研究で開発するCCDの実用化に向けて「①X線に対する性能評価」と,「②可視光遮光層のピンホールの対策」について評価実験を行った。①については,本研究で試作したCCDに対して,KEKのフォトンファクトリーにおいて0.2-3.5keVの帯域の単色のX線を照射した実験データの解析を行った。評価項目は,衛星搭載品としてCCDで天体観測をする際に必要となる,エネルギー線形性,エネルギー分解能などのレスポンスと検出効率である。単色のX線に対するレスポンスが2個のガウス関数と定数という3成分のモデルで近似できることが分かった。また,SiのK吸収端(1.85keV)の前後で定数成分が3倍高くなることが分かり,2021年度に打ち上げる予定のひとみ衛星の代替機XARMに搭載するCCDの応答関数にも反映させる。検出効率はCCD表面の不感層となるAlの厚みについて,設計値100nmに対して,測定結果が、設計精度の範囲内の93nm程度という事が分かった。Siの厚みは設計値の20nmと測定の不確かさの範囲内で一致した。この検出効率の評価方法は,XARM衛星のCCDの検出効率の測定にも用いる。また,本研究で新たに課題となったCCD素子にコーティングした可視光遮光用のアルミニウムにピンホールが生じる問題の対策を進めた。これまでの成膜方法を見直し,新たな成膜方法でコーティングしたアルミニウム膜について,発生するピンホールの数と,数の経年変化を調べた。現段階では,成膜時のピンホールの数を抑えることはできるが,継時的には増加する傾向が見られた。実用化にはピンホール数の経年変化を防ぐことが不可欠であるため,厚みを変えることも含め、今後も引き続き検証実験を進める。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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