本研究の研究成果は格子QCDによる核力ポテンシャルの方法の拡張とその応用であり、以下のような成果を得た。 (1)QCDで、N体の南部・ベーテ・サルペータ波動関数が散乱S行列の情報を持つことを示し、その具体形を明らかにした。(2)非弾性散乱の場合に、エネルギーに依存しない非局所ポテンシャルが存在することを示した。(3)上記(1),(2)で正当性が確立された方法を実際の格子QCDの計算に応用して、新粒子の候補であるH粒子の性質を明らかにし、方法の有効性を示した。(4)同様な格子QCD計算でテトラクォークの候補であるZc(3900)を研究し、実験のシグナルが非弾性散乱の閾値効果であることを示した。
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